こんにちは。クリリンです。
ここでは難関大学・医学部を志望する人たちに向けて物理の勉強法とオススメ参考書についてお話ししていきます。
大学受験における物理の特徴
物理は多くの理系受験生が選択する科目です。
理科3科目の中で、最も暗記量が少ない上、最も得点がしやすいといわれています。
とはいえ、高度な思考力を要する科目でもあり、物理を選択したものの点数が壊滅的…という人も多いのではないでしょうか。
今、物理の成績に伸び悩んでいる人は、これからお話しする物理の勉強法を実践して難関大学に合格できる物理力を手に入れましょう。
物理の勉強法&オススメ参考書

物理の勉強法3つのステップを紹介します。
- 基本事項の本質的理解:徹底せよ!
- 問題演習:公式の使い方・出題パターンを覚える
- 過去問演習:効率よく得点を取る練習
詳しく説明していきます。
1.基本事項の本質的理解:徹底せよ!
難関大学の入試問題にありがちですが、応用問題というのは、複数分野の融合問題であったり、問題設定に工夫があって受験生に不慣れの形式の問題であったりします。
しかし、とりわけ高度な知識が要求される訳ではなく、要求されるとしても受験生にわかるように説明されている場合が大半です。
ここでポイントになるのが、
“どんな応用問題も、基本事項を軸にした思考力を試されている”
ということです。
「問題文に与えられた条件をただ知ってる公式に当てはめるだけで、その後計算を進める中で自分が何をしているのか分からなくなる」という経験はないでしょうか。
これは基本事項を本質的に理解できていないことが原因であると考えられます。
まずは現象を考える上で土台となる原理を抑え、原理から公式が導かれる過程まで徹底的に理解を深めていきましょう。
※高校物理における微積について
微分・積分を扱う物理は高校の指導要領範囲外ではありますが、学習すれば物理を体系的に理解する助けとなります。難関大学・医学部を志望するのなら必ず学習しておきましょう。理解しておくべきなのは、以下の通りです。これらはすべて後述の参考書にも解説されています。
- 力学
加速度、速度、位置、時間の関係
仕事、力、距離の関係
力積、力、時間の関係 - 電磁気
電圧、電場、距離の関係
電流、電荷、時間の関係
電圧、磁束、時間の関係
オススメ参考書
『物理教室』
河合塾出版の教科書的な参考書です。『物理教室』が1番本質をとらえており、難易度も難しすぎることなく、いわゆる「微積物理」についても理解を深めることができます。この1冊を完璧に理解しておけば、今後の物理で困ることはまずありません。
2.問題演習:公式の使い方・出題パターンを覚える
基本事項の本質的理解ができたら、問題演習を積みます。ただし、物理の場合、やみくもに問題数をこなすのではなく、以下の2ステップを意識します。
1.公式の使い方を覚える:「理解」と「使える」は別物
公式を「理解」したからといって「使える」とは限りません。公式を理解することは、あくまでも使えるようになるためのステップだと心得てください。
基本事項の本質的理解を進めつつ、傍用問題集を使って「公式の使い方」を同時進行で覚えていきます。
公式を使えるようになるためにも、やはりある程度「慣れ」が必要です。
この「慣れ」を習得することを意識しながら演習を積めば、目的がはっきりするため早くに習得できるはずです。
2.出題パターンを覚える:解法の丸暗記は禁物
公式の習得がある程度できたら、出題パターンを暗記しましょう。
大学入試に頻出の出題パターンはある程度決まっています。しかも、その出題パターン数も他の科目に比べてかなり限られています。
これらのパターンは以下に挙げる参考書にてほぼすべて網羅できます。
この出題パターンを習得することによって、その問題で得点できるようになるのはもちろんのこと、その問題から派生する応用問題も容易に解くことができるようになります。
ただし勘違いしてはいけないのは
出題パターンは丸暗記しても、解法は丸暗記してはいけません。
物理で大切なのはあくまでも「現象の理解」です。解法を「理解」して初めて入試レベルの問題を解くことができるようになるのです。
オススメ参考書
『良問の風』
中級者向け。「公式の使い方を覚える」ための問題集として使えます。ただし、公式の使い方を覚えるのは学校で買うような傍用問題集でも代用できます。難関大学・医学部を目指すのであればお金と時間の浪費になるため正直必要ありません。中堅大学志望者には必須の問題集です。
『名問の森』
上級者向け。難関大学・医学部の基本的な出題パターンが網羅されています。この問題集を習得することができれば、間違いなく大学入試の合格点に達することができます。
『難問題の系統とその解き方物理』
最上級者向け。大学入試で出題される典型題が完全網羅されています。数学の『チャート式』と同じように「例題」と「演習問題」に分かれており、「例題」に難易度の高い典型題、「演習問題」にかなり難易度の高い典型題~癖のある超難問まで掲載されています。解説がしっかりされている「例題」を習得するだけでもかなりの実力をつけることができます。
3.過去問演習:効率よく得点を取る練習
①基本問題で確実に満点を取る
【合格体験記】京大医学部現役合格までに使っていた参考書・勉強法のすべて
②応用問題で+αできるだけ得点を稼ぐ
出題パターンが抑えられたら、すぐに過去問演習に入りましょう。
物理も最終的には時間との勝負になります。大学入試では、難しい問題1問解くより、簡単な問題3問解ける人が合格します。効率的な時間配分ができるよう、演習を積んでいきましょう。
具体的に僕がとっていた方法は、数学とほぼ同じですが、解法が思い浮かばずに解答が止まってから2分で切り上げるようにしていました。僕の経験上、数学と同じように5分粘っているとロスが多すぎます。問題数の多い物理では難問だと気づいた瞬間に一旦手を引くべきでしょう。
オススメ参考書
『京大の物理』『入試攻略問題集』『実戦模試演習』
過去問と過去問に即した模試です。実際に時間を計ってペース配分を覚えると同時に、計算ミスなどにも配慮して、演習を積んでいきましょう。
高校3年間の流れ:基本事項の本質的理解を高2までに終わらせろ!
物理の勉強は高校2年からはじめます。それまでは数学・英語の勉強を進めてください。
高校2年では、『物理教室』で本質的理解を進めつつ学校で買う傍用問題集で公式の使い方を習得していく、という形式ですべての単元を1通り終わらせましょう。
高校3年では、まず『名問の森』で演習を積み、『物理教室』と照らし合わせながら理解を深めていってください。その後は過去問、模試で実戦経験を積みながら、『難問題の系統とその解き方』でさらに出題パターンを抑えていきましょう。余裕のある人は『難問題の系統とその解き方』は演習問題まですべて解いておくといいでしょう。
ここまでできれば志望校に合格できる得点力は必然的についているはずです。
※補足
理科は受験において最も差のつきやすい科目です。
というのも、特に公立高校生の場合、大学入試本番までに勉強が間に合わないという事態が頻繁に起こります。それは、現役生と高卒生との間の平均点の差に如実に表れます。
従って、理科という科目において、現役生は “高卒生に差をつけられないようにする” 、高卒生は “現役生と差をつける” ということを脳裏に焼きつけておいてください。
合格体験記
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コメント
コメント一覧 (6件)
有名な講師として、苑田先生などが教えている「微積物理」と呼ばれているもの(よく分かっていないが)は大学入試に必要だと思いますか?
実際に僕が「微積物理」の講義を受けていないのでその講義自体の有用性については言及できません。ただし、「微積物理」はあくまでも高校の指導要領範囲外の事項であり、大学入試では出題してはいけないことになっています。その中で一定数の方々が微積物理の習得を推奨する理由は以下の2点です。
➀公式の理解を深めることができる。
➁難関大学・医学部の入試問題では、微積を用いることで解けることを説明したうえで出題されることがあり(この形式の出題なら許容されています)、その時に既に微積物理を習得していると有利になる。
個人的な意見としてしましては、難関大学・医学部を目指すのであれば、自分で使えるようになる必要まではないものの、少なくとも理解はしておくべきだと思います。事実、『物理教室』に載っている微積の知識を習得するだけでも、現象のイメージ・解答の幅はかなり広がりました。
そうだったのですね!
何となく納得出来ました!
ありがとうございます!
物理の問題を一問解くのに、簡単な問題でもたくさんの時間がかかってしまいます。物理は数学のように、チャートのような問題数(300前後)を持つ問題集を何冊もやらないといけないのですか?
物理は、そもそもの原理原則や考え方に順応するのに数学よりも時間を要すると思います。僕自身も初学時は基本的な問題でもスムーズに解けるようになるまで時間がかかりました。本記事にも書いた通り、高校の範囲内で出題される物理の問題は限られており、それは数冊の問題集でしっかりと網羅されています。今あなたが問題をなかなか解けていない原因は「解法を抑えられていない」というよりも「物理に慣れていない」ことの方が大きいと思います。ここは焦らずに問題数をこなしていけば自然と物理のイメージが見えてくるはずです。
わかりました!頑張ってみます!