こんにちは Leeです( ̄∇ ̄)
今回の記事では、これまでの読み物のような記事とは違い、具体的な数学の解法について話していきたいと思います。
この記事でピックアップする問題はズバリ、
解の存在範囲、配置問題
です。解の配置問題とは、方程式が「定められた範囲」に「定められた数」だけ“実数解”を持つための条件を求める問題ですが、2次関数分野の終盤に待ち受けている問題として多くの受験生を苦しめていると思います( i _ i )
(もちろん、3次以上の関数に関する解の配置問題もありますが、かなり難解になる場合が多いため、今回はオーソドックスな2次関数の解の配置問題について書いています( ̄▽ ̄))
特にこういった悩みを持つ受験生が多いのではないでしょうか?
- 何をしているのかが分からない
- 何をすべきなのかが分からない
- 問題によって解法が変わっていてよく分からない
こういった悩みを持つ受験生が多いことから、解の配置問題は“とっつきにくい”問題だと思っていませんか?
実際には全くそんなことはありません。
むしろ解の配置問題はボーナス問題として考えるべきです。
今回の記事では、現役京大医学部生が実際に使っていた解法を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
頭を極力使わず、どんな問題に対しても機械的に処理できる方法を書いているので、読まないともったいないと思います(´∀`)
それでは本題に入っていきます。
この記事はこんな人におすすめ!!!
・解の配置問題が苦手な人
・解の配置問題は解けるけど、時間がかかってしまう人
・これから解の配置問題を練習していく人
解の配置問題ー3パターン
まずは、解の配置問題のパターンについて書いていきたいと思います。
大きく分けて、解の配置問題には3種類あります。
- a<x<bの範囲に異なる2つの実数解をもつパターン
- a<x<bの範囲に1つの実数解をもつパターン
- a<x<bの範囲に少なくとも1つの実数解をもつパターン
まず第一関門としては、解の配置問題であることに気づくこと。
逆にいうと、解の配置問題は気づいてしまいさえすれば後は簡単です( ̄∇ ̄)
何せ、見極めたあとにやることといえば、自分の解いている問題が、上に書いた3つのパターンのどれなのかを判断して、機械的に処理するだけですから(´∀`)
それでは、次に各パターンの処理法について書いていこうと思いますが、上記の3パターンは全て異なる解法で解くわけではありません。
むしろ、根本的にはすべて同じ解法で解けます。
ですので、まずは3パターン全てに共通している根幹の考え方について書いていこうと思います。
それでは(°▽°)
解の配置問題三原則ー境界値、軸位置、判別式
解の配置問題には大きく分けて、3パターンの問題がありますが、根本的な考え方は全て同じです!
したがって、その基本的な考え方さえマスターしてしまえば、解の配置問題は何も怖くありません(´∀`)
その考え方とは、
- 境界値
- 軸位置
- 判別式
この三つの条件を順番に使って、問題の要求する2次関数の形に絞っていくという考え方です。
すなわち、問題のパターンによっては1の境界値のみで十分な場合もあれば、1,2の境界値と軸位置で十分な場合もあれば、あるいは、1,2,3の境界値、軸位置と判別式の全てを使う場合もあります。
大枠の解法がわかったところで、次はこの三つの条件が何かについて話していこうと思います。
※一応、解と係数の関係を利用した解き方もありますが、あまりおすすめはできません、、、
理由は
理由は、解と係数の関係が使える問題ももちろんありますが、使えない問題の方が多いからです。
気になる人へ向けて、一応参考程度に貼っておきますね( ̄∇ ̄)
https://examist.jp/mathematics/complex-equation/kainosonzaihani/
1 境界値
まずは三つの条件のうち、最も初めに考えるべき境界値について書いていきます。
ここでは、2次関数の一般形として、f(x)=ax²+bx +cを用います。
例えばですが、2次関数の配置問題で、「a<x<bの範囲において」という条件があれば、その問題で考えるべき境界値とは“f(a)とf(b)”の2つのみです。
境界値という難しそうな名前がついていますが、中身は簡単です(^O^)
もう1つだけ例を挙げて、次の軸位置に移りたいと思います。
例. 2次関数f(x)が0<x<1に1つの実数解かつ2<x<3に1つの実数解をもつ条件を求めよ
こういう問題において、考えるべき境界値は“f(0),f(1),f(2),f(3)”の4つということになります。
これでみなさん、境界値については理解できたのではないでしょうか( ̄∇ ̄)
2 軸位置
次は、境界値の次に考えるべき軸位置について書いていきます。
軸位置に関しては、漢字を見れば何を意味しているのかわかる人も多いのではないでしょうか?
漢字の通り、軸位置とは“軸がx座標のどこにあるか”ということを表します。
先ほどは2次関数の一般系として、f(x)=ax²+bx +cを用いましたが、2次関数でみなさんが馴染み深いのはこの形ではないでしょうか( ̄∇ ̄)
軸位置が一目でわかる形ですよね f(x)=a(x-b)²+c
この形に直した際の “x=b”
これが軸位置になります。
最後に例を一つ挙げておきますね。
例. 2次関数f(x)=a(x-b)²+cが0<x<1に異なる2つの実数解をもつ条件を求めよ
この場合考えるべき軸位置とは “x=b” なので、軸位置の条件は “0<b<1” になります。
軸を求めて、あとは問題文の条件に放り込むだけでいいので、これも簡単な作業です(´∀`)
3 判別式
最後に、判別式についてです。
これは言わずもがな、2次関数がいくら実数解を持っているかを調べるための式で、みなさんが馴染み深い式の1つだと思います。
一応復習のために書いておくと、f(x)=ax²+bx +c、判別式をDとすると
D=b²-4acのもと
- D<0のとき f(x)=0の実数解は0個
- D=0のとき f(x)=0の実数解は1個
- D>0のとき f(x)=0の実数解は2個
また、これは参考程度ですが、D/4についても説明しておこうと思います( ̄∇ ̄)
一般形 f(x)=ax²+bx +c においてD=b²-4acなので、bが偶数のとき、すなわち b=2b’ と書けるとき、D=4b²-4ac と書けます。
このことにより、D/4=b’²-4ac とすることができるというわけです。
判別式Dについては、その式の値自体というよりかは、正負を気にすることが多いので、DでもD/4でも、どちらを使っても構わないので、bが偶数の場合にはよくD/4を使います。
例として一問挙げておきます( ̄∇ ̄)
ex.) f(x)=3x²+2x +4のD/4について
D/4=1²-3×4=−11
使い方は簡単だと思うので、ついでに覚えて使ってみましょう!
また、最後に2次関数の解の配置問題で、判別式を使う例を1つ挙げておきますね。
例. 2次関数f(x)=ax²+bx +cが0<x<1に異なる2つの実数解をもつ条件を求めよ
この問題の場合、判別式D=b²-4acのもと、異なる2つの実数解をもつ条件を求めればいいので “b²-4ac>0” が条件となります。
いくつの解をもつかは問題文に合わせて、あとは手順通りにするだけでクリアです( ̄∇ ̄)
【説明】パターン別ー解の配置問題“完全攻略法”
part1 a<x<bの範囲に1つの実数解をもつパターン
まずは、a<x<bの範囲に1解もつというパターンから説明していきます。
これが3パターンの中でも最も簡単な問題になります。
早速ですが、まずは復習からしていきましょう。
解の配置問題で最も重要な考え方として、
- 境界値
- 軸位置
- 判別式
この三つの条件を順番に使って、問題の要求する2次関数の形に絞っていきましょう。
例題1 f(x)=ax²+bx +c が 0<x<1の範囲に1つの実数解のみをもつ条件を求めよ(a≠0)
まずは境界値のf(0),f(1)について考えます。
上の画像を見ればわかると思いますが、0<x<1の範囲に1解のみもつ場合、
- f(0)<0かつf(1)>0
- f(0)>0かつf(1)<0
このいずれかの場合のみしか存在しません。
また、上記二つの条件をまとめると “f(0) x f(1)<0”
あとは計算するだけです。
f(0)=c, f(1)=a+b+c なので “f(0) x f(1)<0”⇔“c x (a+b+c )”
これが考えるべき一つ目の条件です。
ただ、ここで重要になってくることは、この条件さえあれば軸位置は関係ないということです。
つまり、“f(0)×f(1)<0”という条件をy=f(x)が満たしている場合、軸がどこにあろうとも問題文の条件を満たすのです。
ゆえに、2.軸位置、3.判別式は考えなくていいということになります。
(この3つの条件は優先度を順にしているので、2.軸位置を考えなくていい場合は、必然的に3.判別式も考えなくていいというわけです)
以上より、この問題の解答は “c x (a+b+c )” となります。
大まかな要領は掴めてきたでしょうか( ̄∇ ̄)
例題2 f(x)=ax²+bx +c が 0<x<1の範囲に1つの実数解かつ1<x<2の範囲に1つの実数解をもつ条件を求めよ(a≠0)
この問題もやることは例題1と同じです。
まずは境界値から考えていきましょう。
今回は、f(0),f(1),f(2)を考えればいいことはわかると思います。
次に、下の図を見ればわかると思いますが、0<x<1の範囲に1解かつ1<x<2の範囲に1解もつ場合、
- f(0)>0かつf(1)<0かつf(2)>0
- f(0)<0かつf(1)>0かつf(2)<0
このいずれかの場合しかありえません。
また図より明白ですが、条件1はa>0のときに成立し、条件2はa<0のときに成立します。
ここまでできれば、あとは計算するだけです。
f(0)=c, f(1)=a+b+c, f(2)=4a+2b+c なので
【f(0)>0かつf(1)<0かつf(2)>0】⇔【c>0かつa+b+c<0かつ4a+2b+c>0】
【f(0)<0かつf(1)>0かつf(2)<0】⇔【c<0かつa+b+c>0かつ4a+2b+c<0】
以上より、求める条件は
“a>0かつc>0かつa+b+c<0かつ4a+2b+c>0 または a<0かつc<0かつa+b+c>0かつ4a+2b+c<0”
aの正負によって、場合わけする必要が出てきますが、2次関数の問題において、2次の係数の正負によって場合わけが生じる場合が多いことは頭に入れておきましょう。(“解の配置問題以外の問題においても”ということです)
あとは簡単な作業なので、練習してマスターしてしまいましょう( ̄∇ ̄)
例題3 f(x)=ax²+bx +c が 0<x<1の範囲に1つの実数解かつ2<x<3の範囲に1つの実数解をもつ条件を求めよ(a≠0)
この問題もやることは全く同じです。
ただ、少しだけややこしいので頑張ってみましょう(^O^)
まずは境界値からです。
f(x)=ax²+bx +c が 0<x<1の範囲に1つの実数解をもつ条件を考えると、先ほどの問題と同様下図を見ると
1. f(0)<0かつf(1)>0
2. f(0)>0かつf(1)<0
このいずれかの場合のみしか存在しません。
また、この条件さえ満たせば、軸位置は関係ないので、以降の軸位置と判別式は考えなくてもいいです
次に、f(x)=ax²+bx +c が 2<x<3の範囲に1つの実数解をもつ条件を考えますが、これも0<x<1の範囲と全く同じように考えると
3. f(2)<0かつf(3)>0
4. f(2)>0かつf(3)<0
このいずれかの場合のみしか存在しません。
また同様に、この条件さえ満たせば、軸位置は関係ないので、以降の軸位置と判別式は考えなくてもいいというわけです
以上で条件が揃ったわけですが、2次関数は頂点において“一度だけ”「単調増加から単調減少」あるいは「単調減少から単調増加」に切り替わることを踏まえると、求める条件は
【1.f(0)<0かつf(1)>0かつ4.f(2)>0かつf(3)<0】または【2.f(0)>0かつf(1)<0かつ3.f(2)<0かつf(3)>0】になります。
もっと簡単に説明すると、もし“1. f(0)<0かつf(1)>0” の条件が成立するとき、2次関数の形を考えれば必然的に、3を満たすことはなく、4を満たす場合があるのみです。(それはa<0のときです)
(逆にa>0のときは、“f(2)>0かつf(3)>0”にしかなり得ず、これは3,4いずれも満たしません)
同様にもし“2. f(0)>0かつf(1)<0”が成立するとき、2次関数の形を考えれば、4を満たすことはなく、3を満たす場合があるのみです。(それはa>0のときです)
(同様に逆に、a<0のときは、“f(2)<0かつf(3)<0”にしかなり得ず、これは3,4いずれも満たしません)
以上より、あとは計算すると
f(0)=c, f(1)=a+b+c, f(2)=4a+2b+c, f(3)=9a+3b+cなので
【1.f(0)<0かつf(1)>0かつ4.f(2)>0かつf(3)<0】より【a<0かつc<0かつa+b+c>0かつ4a+2b+c>0かつ9a+3b+c<0】
【2.f(0)>0かつf(1)<0かつ3.f(2)<0かつf(3)>0】より【a>0かつc>0かつa+b+c<0かつ4a+2b+c<0かつ9a+3b+c>0】
したがって、求める条件は
“a<0かつc<0かつa+b+c>0かつ4a+2b+c>0かつ9a+3b+c<0 または a>0かつc>0かつa+b+c<0かつ4a+2b+c<0かつ9a+3b+c>0”
になります。
文字が多く、かなり複雑なように見えますが、やっていることは単純な作業なので、怖がりすぎないことが大事だと思います( ̄∇ ̄)
実際に出題される問題はこれよりも簡単なものがほとんどですしね(´∀`)
part2 a<x<bの範囲に異なる2つの実数解をもつパターン
次に、a<x<bの範囲に異なる2つの実数解をもつパターンについて説明していこうと思います。
このパターンは3パターンの中で最もオーソドックスな問題になるかと思います。
したがって、基本問題になるので、しっかりと解けるようになりましょう!
前提条件として一応書いておきますが、このパターンも
- 境界値
- 軸位置
- 判別式
この3つの条件を順に使って、問題文の要求する2次関数の形に絞っていくという基本的な考え方は変わりません。
それでは(´∀`)
例題1 f(x)=x²+2bx +c が 0<x<1の範囲に異なる2つの実数解をもつ条件を求めよ
異なる2つの実数解だろうと1つの実数解だろうと、考えることは変わりません。
まずは境界値から考えていきましょう。
今回は、f(0),f(1)を見ればいいことはわかると思いますが、下図を見ると、f(x)=x²+bx +c が 0<x<1の範囲に2解もつ場合、下に書いている条件を満たす必要があります。
【f(0)>0かつf(1)>0】
f(0)=c, f(1)=2b+c+1なので
① 【c>0 かつ 2b+c+1>0】
次に、2の軸位置を考える必要があるかについてですが、下図を見ると【f(0)>0かつf(1)>0】というこの条件を満たしていても、0<x<1の範囲に異なる2つの実数解をもたない可能性があります。
したがって、今回の問題は2の軸位置も考える必要があります。
ゆえに、次に必要な条件は軸位置の 【0<−b<1】になります。
(f(x)=x²+2bx +c=(x+b)²−b²+cよりy=f(x)の軸はx=−bになります)
これより、②【−1<b<0】
最後に、判別式が必要かどうかを考えます。
下図を見ればわかると思いますが、【f(0)>0かつf(1)>0】かつ【0<−b<1】という条件を満たしていても、0<x<1の範囲に異なる2つの実数解をもたない可能性があります。
以上より、判別式をDとして、D>0という条件を加えることによって形を絞ります。
D/4=b²-c なので
③【D>0】⇔【D/4>0】⇔【b²-c>0】
最後に①,②,③の条件を合わせて、求める条件は
“c>0 かつ 2b+c+1>0 かつ −1<b<0 かつ b²-c>0”
もう少し綺麗にまとめると
“0<c<b² かつ 2b+c+1>0 かつ −1<b<0”
確かにやることは多いかもしれませんが、すべて決められたことをやるだけなので、練習さえ積めば問題なく解ける問題なので、引き続き頑張りましょう(^O^)
例題2 f(x)=−x²+2bx +c が 0<x<1の範囲に異なる2つの実数解をもつ条件を求めよ
次は、上に凸な2次関数についてですが、上に凸か下に凸かだけの違いで、やることは全く同じなので少し省略しながら解説していきます。
まずは、境界値からですが、f(x)=−x²+2bx +c が 0<x<1の範囲に異なる2つの実数解をもつためには【f(0)<0かつf(1)<0】が必要です。
f(0)=c, f(1)=2b+c −1なので
①【c<0 かつ 2b+c−1<0】
また、境界値だけでは条件が不足しているので、軸位置について考えると
(境界値だけでは条件が足りない理由がわからない人は、例題1を参照してみてください!)
②【0<b<1】
(f(x)=−x²+2bx +c=−(x -b)²+b²+cよりy=f(x)の軸はx=bになります)
最後に、境界値と軸位置の条件があっても絞りきれないので、判別式Dについて考えると
(これも理由がわからない人は、例題1を参照してみてください!)
D/4=b²+c より
③【D>0】⇔【D/4>0】⇔【b²+c>0】
以上より、①,②,③の条件を合わせて
“c<0 かつ 2b+c−1<0 かつ 0<b<1 かつ b²+c>0”
少しまとめると
“−b²<c<0 かつ 2b+c−1<0 かつ 0<b<1”
どうでしょうか?
これでa<x<bの範囲に異なる2つの実数解をもつパターンは理解できたでしょうか?
次の章に、演習問題と解説も用意しているので、是非やってみてください( ̄∇ ̄)
part3 a<x<bの範囲に少なくとも1つの実数解をもつパターン
最後は、a<x<bの範囲に少なくとも1つの実数解をもつパターンですが、これが最も厄介です。
この問題をしっかりと合わせることができれば、周りの受験生と大きな差をつけられると思いますので、是非是非マスターしましょう!
それでは解説していきます( ̄∀ ̄)
例題1 f(x)=x²+2ax +a+1 が 0<x<1の範囲に少なくとも1つの実数解をもつ条件を求めよ
このパターンの問題も、やることは全く一緒ですが、少しコツがあるので、それを覚えてしまってください(´∀`)
どのみち、まず考えるべきは境界値ですので、f(0),f(1)について考えます。
ただ、覚えておいてほしいことは、2次関数の解の配置問題で“少なくとも1つの実数解をもつ条件”という問題を見れば
境界値の積の正負で場合わけしてください
つまり、今回の問題ではf(0) x f(1)の正負で場合わけすると
- f(0) x f(1)<0
- f(0) x f(1)=0
- f(0) x f(1)>0
この3つの場合が出てきます。
あとは一つずつ処理していけば問題ありません。
(Ⅰ) f(0) x f(1)<0
まずは積が負になる場合についてです。
これはpart1で解説した箇所なので、理解しやすいと思いますが、境界値が負になっているだけで、0<x<1の範囲に1つの実数解をもつことになるので、問題文の条件を満たします。(問題文は少なくとも1解なので
以上で形が絞れたので、軸位置と判別式について考える必要はありません。
また、f(0)=a+1, f(1)=3a+2より
①【f(0) x f(1)<0】⇔【(a+1)(3a+2)<0】⇔【−1<a< −2/3】
これで1つ目の場合わけは完了です( ̄∇ ̄)
(Ⅱ) f(0) x f(1)=0
この場合は簡単ですね( ̄∇ ̄)
具体的にaの値を求めてしまって、あとはその2次関数の残りの解が範囲内かどうかを確かめるだけです。
f(0) x f(1)=0 より f(0)=0 または f(1)=0 なので
(Ⅱ-a) f(0)=0 のとき
f(0)=a+1 より a=−1 なので f(x)=x²−2x =x(x−2)
ゆえに残りの解は x=2 となり、これは0<x<1の範囲を満たさないので不適です。
同様にして、
(Ⅱ-b) f(1)=0 のとき
f(1)=3a+2 より a=−2/3 なので f(x)=x²−4/3x +1/3=1/3(3x−1)(x−1)
ゆえに残りの解は x=1/3 となり、これは0<x<1の範囲を満たしているため適しています。
これで2つ目の場合わけも完了となり、残りは1 つだけです。
(Ⅲ) f(0) x f(1)>0
これはpart2で解説した問題と同じパターンの条件ですね( ̄∇ ̄)
まずは境界値の条件から考えると、f(0)=a+1, f(1)=3a+2より
【f(0)>0 かつ f(1)>0】⇔【a+1>0 かつ 3a+2>0】⇔【a>−1 かつ a>−2/3】
よって①【a>−2/3 】
次に、境界値だけでは条件が不足しているので、軸位置について考えます。
f(x)=x²+2ax +a+1=(x+a)²−a²+a+1 より軸は x=−a
これより軸位置の条件は
②【0<−a<1】⇔【−1<a<0】
最後に、境界値と軸位置の条件だけでは形が絞りきれないので、判別式について考えます。
判別式をDとすると、4/D=a² −a−1なので
③【D>0】⇔【D/4>0】⇔【a² −a−1>0】⇔【a<(1−√5)/2, (1+√5)/2<a】
以上より①,②,③の条件を合わせると
【−2/3<a<(1−√5)/2】
これで、最後の場合わけも完了です( ̄∇ ̄)
あとは、(Ⅰ)【−1<a< −2/3】、(Ⅱ)【a=−2/3】、(Ⅲ)【−2/3<a<(1−√5)/2】を合わせて
“−1<a<(1−√5)/2”
これが答えになります。
どうでしょうか?
少し作業が多いので、難しく感じる人は多いかもしれませんが、やっていることは簡単なので、得点源にしてしまいましょう( ̄∇ ̄)
例題2 f(x)=−x²+2ax +a+2 が 0<x<1の範囲に少なくとも1つの実数解をもつ条件を求めよ
この問題とさっきの例題1の違いといえば、上に凸か下に凸かという違いのみです。
ですので、少し省略しながら解説していきたいと思います。
まずは“少なくとも1解”という条件なので、境界値の積の正負の場合わけからです。
(Ⅰ) f(0) x f(1)<0
まずは積が負になる場合についてです。
これはpart1で解説した箇所なのでわかると思いますが、境界値が負になっているだけで、0<x<1の範囲に1つの実数解をもつことになるので、問題文の条件を満たします。(問題文は少なくとも1解なので
以上で形が絞れたので、軸位置と判別式について考える必要はありません。
また、f(0)=a+2, f(1)=3a+1より
①【f(0) x f(1)<0】⇔【(a+2)(3a+1)<0】⇔【−2<a< −1/3】
これで1つ目の場合わけは完了です( ̄∇ ̄)
(Ⅱ) f(0) x f(1)=0
この場合は簡単ですね( ̄∇ ̄)
具体的にaの値を求めてしまって、あとはその2次関数の残りの解が範囲内かどうかを確かめるだけです。
f(0) x f(1)=0 より f(0)=0 または f(1)=0 なので
(Ⅱ-a) f(0)=0 のとき
f(0)=a+2 より a=−2 なので f(x)=−x²−4x=−x(x+4)
ゆえに残りの解は x=−4 となり、これは0<x<1の範囲を満たさないので不適です。
同様にして、
(Ⅱ-b) f(1)=0 のとき
f(1)=3a+1 より a=−1/3 なので f(x)=−x²−2/3x +5/3=1/3(3x+5)(x−1)
ゆえに残りの解は x=−5/3 となり、これは0<x<1の範囲を満たさないので不適です。
これで2つ目の場合わけも完了となり、残りは1つだけです。
(Ⅲ) f(0) x f(1)>0
これはpart2で解説した問題と同じパターンの条件ですね( ̄∇ ̄)
まずは境界値の条件から考えると、f(0)=a+1, f(1)=3a+2より
【f(0)<0 かつ f(1)<0】⇔【a+2<0 かつ 3a+1<0】⇔【a<−2 かつ a<−1/3】
よって①【a<−2】
次に、境界値だけでは条件が不足しているので、軸位置について考えます。
f(x)=−x²+2ax +a+2=−(x -a)²+a²+a+2 より軸は x=a
これより軸位置の条件は
②【0<a<1】
最後に、境界値と軸位置の条件だけでは形が絞りきれないので、判別式について考えます。
判別式をDとすると、4/D=a²+a+2なので
③【D>0】⇔【D/4>0】⇔【a²+a+2>0】⇔【(a+1/2)²+7/4>0】⇔【aは任意の実数】
以上より①,②,③の条件を合わせると
【解なし】
これで最後の場合わけも完了です( ̄∇ ̄)
あとは、(Ⅰ)【−2<a< −1/3】、(Ⅱ)【解なし】、(Ⅲ)【解なし】を合わせて
“−2<a< −1/3”
これが答えになります。
最後の問題は解なしの場合わけが出てくる、少し特殊なパターンを紹介しましたが、実際に出題されることは少ないかもしれません( i _ i )
(あくまで、説明のための部分なので少し特殊な文字設定にしています。)
演習問題の方には、しっかり全ての場合わけで範囲が出てくる問題を用意しているのでご安心ください(^O^)
【演習】パターン別ー解の配置問題“完全攻略法”
ここからは演習問題になります( ̄∇ ̄)
先ほどまでの、説明のためだけに作った問題ではなく、実際に出題されるような問題を選んでいるので、是非是非練習してみてください。
問題をタイトルに書いていて、すぐ下から解説が始まっているので、まずは自分で問題を解いてから解答解説をみて確認してみてください。
それでは(´∀`)
演習1 f(x)=x²+2ax -a+1 が −1<x<3の範囲にただ1つの実数解をもつ条件を求めなさい(重解を除く)
(解説)
これは見た通り、part1と同じ問題ですね( ̄∇ ̄)
境界値を決めただけで、形が絞れるので、境界値のみを考えればよいです。
境界値の正負が異なっていれば問題文の条件を満たすので、f(−1)=−3a+2, f(3)=5a+10 より
【f(−1) x f(3)<0】⇔【(−3a+2)(5a+10)<0】⇔【a<−2, 2/3<a】
これが答えになります。
これは簡単めな問題になっています( ̄∇ ̄)
演習2 f(x)=x²−4ax+7a+2=0 が正と負の実数解を1つずつもつ条件を求めなさい
(解説)
これはpart1と同じ問題であることに気づいたでしょうか?
一見、解を2つもつということからpart3と同じ問題のように見えますが、境界値を決めただけで形が絞れてしまいますので、part1と同じ問題です( ̄∇ ̄)
境界値を決めてしまうだけで、問題文の求める条件を満たします。
したがって、f(0)=7a+2より、求める条件は
【7a+2<0】⇔【a<−2/7】
これが答えになります。
少し捻ったパターンですが、一回でも見たことがあれば苦労しないと思いますので、解けなかった人もこれで覚えてしまいましょう!
演習3 f(x)=x²−2ax+4a+1=0 が−1<x<0の範囲に1つの実数解かつ0<x<1の範囲に1つの実数解をもつ条件を求めなさい
(解説)
これもpart1と同じ問題ですね(´∀`)
境界値の条件を定めれば、軸位置と判別式は必要ないので、境界値のみを考えます。
f(x)=x²−2ax+4a+1=0 が−1<x<0の範囲に1つの実数解かつ0<x<1の範囲に1つの実数解をもつためには
【f(−1)>0 かつ f(0)<0 かつ f(1)>0】
が条件になります。
したがって、f(−1)=6a+2, f(0)=4a+1, f(1)=2a+2 より
【f(−1)>0 かつ f(0)<0 かつ f(1)>0】⇔【6a+2>0 かつ 4a+1<0 かつ 2a+2>0】⇔【a>−1/3 かつ a<−1/4 かつ a>−1】⇔【−1/3<a<−1/4】
これが求める条件になります。
少しずつ慣れてきたでしょうか?
演習4 f(x)=x²−2ax+a が−2<x<2の範囲に異なる2つの実数解をもつ条件を求めなさい
これはpart2と同じ問題ですね)^o^(
まずは境界値から考えますが、f(x)=x²−2ax+a=0 が−2<x<2の範囲に異なる2つの実数解をもつためには
【f(−2)>0 かつ f(2)>0】
が必要です。
f(−2)=5a+4, f(2)=−3a+4なので
①【f(−2)>0 かつ f(2)>0】⇔【5a+4>0 かつ −3a+4>0】⇔【a>−4/5 かつa<4/3】⇔【−4/5<a<4/3】
次に、軸位置についてですが、境界値だけでは形が絞りきれないので、考える必要があります。
f(x)=x²−2ax+a=(x−a)²−a²+a より軸はx=aなので、軸位置の条件は
②【−2<a<2】
最後に判別式ですが、境界値と軸位置だけでも形が絞りきれないので、考える必要があります。
実数解を2つ持てば良いので、条件は【D>0】です。
判別式をDとすると、D/4=a²−aなので
③【D>0】⇔【D/4>0】⇔【a²−a>0】⇔【a(a−1)>0】⇔【a<0, 1<a】
以上より①、②、③の条件を合わせて
“−4/5<a<0, 1<a<4/3”
これが答えになります。
段々と慣れてきたでしょうか(^O^)
演習5 f(x)=x²−ax+a²−3a が2より小さい異なる2つの実数解をもつ条件を求めなさい
演習4が解けた人にとっては、とても易しい問題ですね( ̄∇ ̄)
演習4ができなかった人はこの問題でリベンジしてください。
(解説)
問題としてはpart2と同じ問題です。
したがって、境界値、軸位置、判別式の全ての条件が必要です。
また、境界値については下図を見れば分かる通り、f(2)>0 が必要なので、
ⅰ)境界値 【f(2)>0】
ⅱ)軸位置 【軸<2】
ⅲ)判別式 【D>0】
これらが条件になります。
また、f(2)=a²−5a+4, f(x)=x²−ax+a²−3a=(x−1/2a)²+3/4a²−3a, D=−3a²+12a より
①【f(2)>0】⇔【a²−5a+4>0】⇔【(a−1)(a−4)>0】⇔【a<1, 4<a】
②【軸<2】⇔【1/2a<2】⇔【a<4】
③【D>0】⇔【−3a²+12a>0】⇔【−3a(a−4)>0】⇔【a(a−4)<0】⇔【0<a<4】
以上より、①、②、③の条件を合わせて
“0<a<1”
これが答えになります。
どうでしょうか?
なんとか解けたでしょうか( ̄∇ ̄)
演習6 f(x)=x²−ax+a²−3a が絶対値が1より小さい異なる2つの実数解をもつ条件を求めなさい
少しだけ捻った問題ですが、どのパターンの問題か分かったでしょうか?
(解説)
“絶対値が1より小さい異なる2つの実数解をもつ”という問題文を言い換えると“−1<x<1の範囲に異なる2つの実数解をもつ”という問題に変わります。
こう言い換えれば、あとは簡単な問題になるでしょう( ̄∇ ̄)
part2と同じ問題ですね^o^
このパターンの問題は境界値、軸位置、判別式の全ての条件が必要なことは少しずつ身についてきたでしょうか( ̄∇ ̄)
したがって、
ⅰ)境界値 【f(−1)>0 かつ f(1)>0】
ⅱ)軸位置 【−1<軸<1】
ⅲ)判別式 【D>0】
これらが条件になります。
慣れてきた人はこのくらいスピーディーに解けることを目指しましょう!
あとは計算するのみです。
f(−1)=a²−2a+1, f(1)=a²−4a+1, f(x)=x²−ax+a²−3a=(x−a/2)²+3/4a²−3a, D=−3a²+12a より
①【a²−2a+1>0 かつ a²−4a+1>0】⇔【(a−1)²>0 かつ (a−(2−√3))(a−(2+√3))>0】⇔【a≠1 かつ a<2−√3, 2+√3<a】⇔【a<2−√3, 2+√3<a】
②【−1<軸<1】⇔【−1<a/2<1】⇔【−2<a<2】
③【D>0】⇔【−3a²+12a>0】⇔【−3a(a−4)>0】⇔【a(a−4)<0】⇔【0<a<4】
以上より、①、②、③の条件を合わせて
“0<a<2−√3”
これが答えになります。
最終的には、このくらい省略しても解けるようになれば完璧です!
演習7 f(x)=x²+(a+2)x−a+1 が −2<x<0 の範囲に少なくとも1つの実数解をもつ条件を求めなさい
(解説)
これはpart3と同じ問題ですね。
復習になりますが、“少なくとも1つ解をもつ条件”という問題を見れば
境界値の積の正負で場合わけしてください
ですので、この問題も
Ⅰ)f(−2) x f(0)<0
Ⅱ)f(−2) x f(0)=0
Ⅲ)f(−2) x f(0)>0
この3つの場合分けをして解いていきましょう。
Ⅰ) f(−2) x f(0)<0のとき
これはpart1で見たパターンですね( ̄∇ ̄)
境界値の積が負のときは、その範囲において1つの実数解のみをもつことになるので、この場合は問題文の条件に則しています。
あとは計算するだけです。
f(−2)=−3a+1, f(0)=−a+1 なので
①【f(−2)xf(0)<0】⇔【(−3a+1)(−a+1)<0】⇔【1/3<a<1】
Ⅱ) f(−2) x f(0)=0のとき
これは簡単ですね( ̄∇ ̄)
【f(−2) x f(0)=0】⇔【f(−2)=0 または f(0)=0】 なので
Ⅱ-a) f(−2)=0 のとき
f(−2)=−3a+1 より②【f(−2)=0】⇔【a=1/3】 なので f(x)=x²+7/3x+2/3=(3x+1)(x+2)
これより、残りの解は x=−1/3 となり、これは −2<x<0 の範囲にあるので、問題文の条件を満たします。
Ⅱ-b) f(0)=0 のとき
f(0)=−a+1 より【f(0)=0】⇔【a=1】 なので f(x)=x²+3x=x(x+3)
これより、残りの解は x=−3 となり、これは −2<x<0 の範囲にないので、問題文の条件を満たしません。
これで2つ目の場合わけも終わりです。
Ⅲ) f(−2) x f(0)>0のとき
これはpart2でやった問題と同じタイプですね( ̄∇ ̄)
異なる実数解を2つ持つパターンですので、境界値だけでなく、軸位置と判別式の全ての条件が必要です。
ただ、気をつけないといけないことは、この“少なくとも1解”パターンの問題でのみ、判別式Dについて
D>0 でなく D≧0 としてください。
したがって
(a) f(−2)>0 かつ f(0)>0
(b) −2<軸<0
(c) D≧0
これらが求めるべき条件となり、あとは計算するだけです。
f(−2)=−3a+1, f(0)=−a+1, f(x)=x²+(a+2)x−a+1=(x+(a+2)/2)²−((a+2)/2)²−a+1, D=(a+2)²−4(−a+1)=a²+8a より
(a) 【f(−2) かつ f(0)>0】⇔【−3a+1>0 かつ −a+1>0】⇔【a<1/3 かつ a<1】⇔【a<1/3】
(b) 【−2<軸<0】⇔【−2<−(a+2)/2<0】⇔【−2<a<2】
(c) 【D≧0】⇔【a²+8a≧0 】⇔【a(a+8)≧0】⇔【a≦−8, 0≦a】
以上より、(a),(b),(c)の条件を合わせて
③【0≦a<1/3】
これで全ての場合わけが終わりました。
最後に、①【1/3<a<1】, ②【a=1/3】, ③【0≦a<1/3】を合わせると
“0≦a<1”
これが答えになります。
どうでしょうか?
実際にやってみると、なかなか答えを合わせるのは難しいとを感じるのではないでしょうか?
最後にもう1 問だけ演習問題を用意したので、解いてみてください!
演習8 f(x)=x² +(2−a)x +4−2aが −1<x<1 の範囲に少なくとも1つの実数解をもつ条件を求めなさい
(解説)
これも見た通り、part3と同じ問題ですね(^O^)
ですので、この問題も
Ⅰ)f(−1) x f(1)<0
Ⅱ)f(−1) x f(1)=0
Ⅲ)f(−1) x f(1)>0
この3つの場合分けをして解いていきましょう。
Ⅰ) f(−1) x f(1)<0のとき
これはpart1で見たパターンですね( ̄∇ ̄)
境界値の積が負のときは、その範囲において1つの実数解のみをもつことになるので、この場合は問題文の条件に則しています。
あとは計算するだけです。
f(−1)=−a+3, f(1)=−3a+7 なので
①【f(−1) x f(1)<0】⇔【(−a+3)(−3a+7)<0】⇔【7/3<a<3】
Ⅱ) f(−2) x f(0)=0のとき
これは簡単ですね( ̄∇ ̄)
【f(−1) x f(1)=0】⇔【f(−1)=0 または f(1)=0】 なので
Ⅱ-a) f(−1)=0 のとき
f(−2)=−a+3 より【f(−1)=0】⇔【a=3】 なので f(x)=x²−x−2=(x+1)(x−2)
これより、残りの解は x=2 となり、これは −1<x<1 の範囲にないので、問題文の条件を満たしません。
Ⅱ-b) f(1)=0 のとき
f(1)=−3a+7 より②【f(1)=0】⇔【a=7/3】 なので f(x)=x²−1/3x−2/3=1/3(3x+2)(x−1)
これより、残りの解は x=−2/3 となり、これは −1<x<1 の範囲にあるので、問題文の条件を満たします。
これで2つ目の場合わけも終わりです。
Ⅲ) f(−1) x f(1)>0のとき
これはpart2でやった問題と同じタイプですね( ̄∇ ̄)
異なる実数解を2つもつパターンですので、境界値だけでなく、軸位置と判別式の全ての条件が必要です。
ただ、気をつけないといけないことは、この“少なくとも1解”パターンの問題でのみ、判別式Dについて
D>0 でなく D≧0 としてください。
したがって
(a) f(−1)>0 かつ f(1)>0
(b) −1<軸<1
(c) D≧0
これらが求めるべき条件となり、あとは計算するだけです。
f(−1)=−a+3, f(1)=−3a+7, f(x)=x² +(2−a)x +4−2a =(x+(2−a)/2)²−((2−a)/2)²+4−2a, D=(2−a)²−4(4−2a)=a²+4a−12 より
(a) 【f(−1)>0 かつ f(1)>0】⇔【−a+3>0 かつ −3a+7>0】⇔【a<3 かつ a<7/3】⇔【a<7/3】
(b) 【−1<軸<1】⇔【−1<−(2−a)/2<1】⇔【0<a<4】
(c) 【D≧0】⇔【a²+4a−12≧0 】⇔【(a−2)(a+6)≧0】⇔【a≦−6, 2≦a】
以上より、(a),(b),(c)の条件を合わせて
③【2≦a<7/3】
これで全ての場合わけが終わりました。
最後に、①【7/3<a<3】, ②【a=7/3】, ③【2≦a<7/3】を合わせると
“2≦a<3”
これが答えになります。
どうでしょうか?
この問題はしっかりと答えを合わせることができたでしょうか?
最後におまけ問題のようなものを用意しているので、時間があればぜひその問題も解いてみてください!
演習9 f(x)=x² +(2−a)x +4−2aが −1≦x≦1 の範囲に少なくとも1つの実数解をもつ条件を求めなさい
これで演習問題は終わりです!
(解説)
最後は演習8とほとんど同じ問題ですが、等号が含まれたパターンです。
最後の問題になりますが、これは見た通りpart3と同じ問題ですね(^O^)
ですので、この問題も
Ⅰ)f(−1) x f(1)<0
Ⅱ)f(−1) x f(1)=0
Ⅲ)f(−1) x f(1)>0
この3つの場合分けをして解いていきましょう。
もちろん、この場合わけでも解けますが、少し鋭い人であれば、場合わけを1つ減らせることに気づくのではないでしょうか?
今回の問題では問題文の条件に等号が含まれているので、Ⅱ)f(−1) x f(1)=0 の条件が満たされているとき、無条件に題意を満たします。
これより、等号が含まれた問題では
Ⅰ)f(−1) x f(1)≦0
Ⅱ)f(−1) x f(1)>0
この場合わけで十分となります。
Ⅰ) f(−1) x f(1)≦0のとき
これはpart1で見たパターンですね( ̄∇ ̄)
境界値の積が負のときは、その範囲において1解のみ持つことになるので、この場合は問題文の条件に則しています。
あとは計算するだけです。
f(−1)=−a+3, f(1)=−3a+7 なので
①【f(−1) x f(1)≦0】⇔【(−a+3)(−3a+7)≦0】⇔【7/3≦a≦3】
(予備)f(−1) x f(1)=0のとき
この場合わけは必要ありませんが、なぜ必要ないのかを説明するために確認してみましょう!
【f(−1) x f(1)=0】⇔【f(−1)=0 または f(1)=0】 なので
Ⅱ-a) f(−1)=0 のとき
f(−1)=−a+3 より【f(−1)=0】⇔【a=3】 なので f(x)=x²−x−2=(x+1)(x−2)
これより、残りの解は x=2 となりますが、そもそも x=−1 という解が −1≦x≦1 の範囲にあるので、題意を満たします。
また、同様にして
Ⅱ-b) f(1)=0 のとき
f(1)=−3a+7 より②【f(1)=0】⇔【a=7/3】 なので f(x)=x²−1/3x−2/3=1/3(3x+2)(x−1)
これより、残りの解は x=−2/3 となりますが、そもそも x=1 という解が −1≦x≦1 の範囲にあるので、題意を満たします。
これを見ればわかったと思いますが、等号が含まれる問題の場合、f(−1) x f(1)=0 という条件を満たしさえすれば題意を満たすので、Ⅰ) f(−1) x f(1)<0 と f(−1) x f(1)=0 をまとめて考えても構わないのです。
Ⅱ) f(−1) x f(1)>0のとき
これはpart2でやった問題と同じタイプですね( ̄∇ ̄)
異なる実数解を2つもつパターンですので、境界値だけでなく、軸位置と判別式の全ての条件が必要です。
ただ、気をつけないといけないことは、この“少なくとも1解”パターンの問題でのみ、判別式Dについて
D>0 でなく D≧0 としてください。
したがって
(a) f(−1)>0 かつ f(1)>0
(b) −1<軸<1
(c) D≧0
これらが求めるべき条件となり、あとは計算するだけです。
f(−1)=−a+3, f(1)=−3a+7, f(x)=x² +(2−a)x +4−2a =(x+(2−a)/2)²−((2−a)/2)²+4−2a, D=(2−a)²−4(4−2a)=a²+4a−12 より
(a) 【f(−1)>0 かつ f(1)>0】⇔【−a+3>0 かつ −3a+7>0】⇔【a<3 かつ a<7/3】⇔【a<7/3】
(b) 【−1<軸<1】⇔【−1<−(2−a)/2<1】⇔【0<a<4】
(c) 【D≧0】⇔【a²+4a−12≧0 】⇔【(a−2)(a+6)≧0】⇔【a≦−6, 2≦a】
以上より、(a),(b),(c)の条件を合わせて
②【2≦a<7/3】
これで全ての場合わけが終わりました。
最後に、①【7/3≦a≦3】, ③【2≦a<7/3】を合わせると
“2≦a≦3”
これが答えになります。
どうでしょうか?
この問題はおまけみたいな問題でしたが、解けたでしょうか?
演習問題はこれで以上となります( ̄∇ ̄)
まとめ(パターン別の解法まとめあり)
これで今回の記事は終わります。
2次関数の解の配置問題は、2次関数の難問の1つとして考えられていますが、実はやることが決まっているため、得点源にしやすい分野です。
ぜひ、これを機に得意分野にしていまいましょう!
最後に、解の配置問題のパターン別の必要な条件についてまとめて終わろうと思います( ̄∇ ̄)
→1. 境界値 f(a)>0 かつ f(b)>0
2. 軸位置 a<軸<b
3. 判別式 D>0
→1. 境界値 f(a)xf(b)<0
※ a<x<bの範囲とc<x<dの範囲にそれぞれ1つの実数解をもつパターン、 a<x<bの範囲とb<x<cの範囲にそれぞれ1つの実数解をもつパターンもあるが、これらも必要な条件は境界値のみ。
( ただし、詳しい条件は適宜グラフを書いて確認する必要あり)
→Ⅰ)f(a)xf(b)<0
この場合は他の条件必要なし
Ⅱ)f(a)xf(b)=0
Ⅱ-a) f(a)=0 Ⅱ-b) f(b)=0
2 つの場合にわけて、各々残りの解が題意を満たすかどうかを確認
Ⅲ))f(a)xf(b)>0
1. 境界値 f(a)>0 かつ f(b)>0
2. 軸位置 a<軸<b
3. 判別式 D≧0
“少なくとも1解”のときは、判別式に注意
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました(°▽°)
それでは( ̄∇ ̄)
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今回の記事では、数学で受験生が苦しみがちな“解の配置問題”について話しましたが、また別の記事として、この記事をおすすめします!“京大医学部の学生はどういった人が多いのか”について書いた記事です!興味があればぜひそちらも読んでみてください( ̄∇ ̄)
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