こんにちは。クリリンです。
最近になってテレビやYouTubeでよく東大生が登場し、「東京大学」という存在が身近に感じられるようになりましたね。
そんな中、「東大目指してみようかな〜」「自分も東大生になりたい!」と考えている人もいるでしょう。
それ自体はとても良いことだと思いますが、僕が懸念するのは「東大を甘く見ていないか?」ということ。
初めに言っておきますが、東大は「誰でもいける場所」ではない。
そこで今回は、東大入試の難易度について解説し、
・東大にはどのような人が行けるのか。
・東大入試の難しさはどこにあるのか。
・東大合格のためにはどのような力を身に付けなければならないのか。
について詳しくお話ししていきます。
東大に行ける人材は限られている
東大の難易度として皆さんにとって最も馴染みのある指標は「偏差値」だと思います。
大手予備校が発表している東大の偏差値は以下の通り。
学部名 | 河合塾 | 駿台 | ベネッセ | 東進 |
---|---|---|---|---|
文科一類 | 67.5 | 66 | 74 | 73 |
文科二類 | 67.5 | 65 | 74 | 73 |
文科三類 | 67.5 | 64 | 73 | 72 |
理科一類 | 67.5 | 68 | 72 | 72 |
理科二類 | 67.5 | 66 | 71 | 72 |
理科三類 | 72.5 | 78 | 76 | 76 |
実施される模試によって誤差がありますが、東大の偏差値は大体70前後。
特に理科三類は別格中の別格であることがお分かりいただけるでしょう。
また、東大に合格する1学年あたりの学生数はおよそ3000人程であり、これは同世代の人口に対して約0.3%。
つまり、東大に合格する生徒は日本全国で成績上位0.3%の人材であるということです。
もちろん、成績の優秀な人が全員東大に行くわけではないので単純な計算はできないかもしれませんが、それでも東大に行けるのは限られた人材であるということはお分かりいただけると思います。
東大合格にはある程度の才能が前提である
今やネット上でも東大入試に関する情報が溢れており、「東大は然るべき努力をすれば誰でも入れる」なんていうフレーズを聞いたことがある人も多いかもしれません。
ここは心を鬼にして言っておきますが、
「誰でも」は嘘です。
確かに、一部例外はあるのかもしれませんが、東大に合格するほぼ全ての人はある程度の才能に恵まれています。
これは僕個人的な調査によるものですが、「東大は然るべき努力をすれば誰でも入れる」と言っているのは、そのほとんどが東大合格者ですね。
つまり、その人の周りには中学・高校と才能に恵まれた人で溢れており、東大には到底届かない人もいるという現実が見えていないんです。
東大合格には、東大の合格実績がある高校に通っているか、少なくとも県内トップ層の高校に通っていることが前提条件です。
塾・予備校などで、上位層から下位層まで色々な生徒を指導した経験がある人ならば、「東大は誰でも入れる」なんていう言葉は出てきません。
もちろん、この前提条件を満たしていないからといって「絶対無理」という訳ではありませんが、相当な覚悟が必要になるということは覚えておいてください。
努力するにも才能が必要
「東大は誰でも入れる」と言う人の多くは、その言い分に「然るべき努力をすれば」という文言が付け加えられています。
確かに、どんなに勉強の才能がなくても、中学→高校としっかり段階を踏みなおして勉強すれば東大にも受かるかもしれません。
しかし、そこには想像を絶するような凄まじい努力があり、それほどの努力をすることにもまた才能が必要であるということも忘れてはなりません。
いわゆる「努力するための才能」というものですね。
東大に合格するためには1日10時間以上の勉強を1年間、あるいはそれ以上の期間毎日ひたすら継続しなければならず、ほとんどの人はこの壁を乗り越えられずに挫折します。
自由時間を減らして、スマホの使用も制限して、自分を追い込んで努力するというのはそう簡単なことではないのです。
東大に合格しているほぼ全ての人はそんな壁をも乗り越えてきており、「努力するための才能」が証明された貴重な人材なのです。
学力と才能(遺伝)の関係性については以下の記事で詳しく解説しておきます。
東大入試の難しさはどこにあるのか
さて、ここまで「東大入試がどれほど難しいのか」についてお話ししてきましたが、なぜこれほどにまで難しいのか、そして具体的にどういった点で難しいのかについてお話ししていきましょう。
科目数の多さ
東京大学が早稲田・慶應などの最難関私立大学と一線を画している点といえばココ。
東大は受験に必要な科目数が圧倒的に多いです。
私立大学の場合、文系なら国語・英語・社会、理系なら数学・英語・理科といったように、3教科で受験できることが多く、やりようによっては自分の得意科目だけで勝負することができてしまいます。
しかし東大の場合、国数英理社の5教科8科目で受験する以外の道はなく、得意科目・苦手科目に関わらず全ての科目で勝負しなければなりません。
結果、東大受験生の勉強時間は圧倒的に膨れ上がり、尋常ではない努力量が必要となっているのです。
問題数の多さ
東大入試において多くの東大受験生を苦しめる最大の特徴として挙げられるのが、「制限時間に対する問題数の多さ」です。
具体的に、東大入試の文類・理類それぞれの試験時間は以下の通り。
科目 | 試験時間 |
---|---|
国語 | 150分 |
数学 | 100分 |
地理歴史 | 150分 |
外国語 | 120分 |
科目 | 試験時間 |
---|---|
国語 | 100分 |
数学 | 150分 |
理科(2科目) | 150分 |
外国語 | 120分 |
見ての通り、決して試験時間が短い訳ではありません。
むしろ長いくらいですね…。
しかし、東大入試ではこの制限時間をも凌駕してくる量の問題数を出題してきます。
特に、文系理系ともに英語と数学は信じられないほどに時間が足りません。
東大入試では、長時間集中力を維持する能力とともに素早く問題を処理する能力が要求されるため、入試難易度が非常に高いとされているのです。
本質を問う作り込まれた入試問題
やはり「天下の東大」と言うだけあり、入試問題は相当作り込まれています。
ただ「難しい」とはいえど、ただ単に難問・奇問が並べられている訳ではなく、重箱の隅をつつくような知識の丸暗記で解けるような問題ではありません。
むしろ、受験生として勉強していれば誰もが習得しているような知識をもとに、考えてみればある意味当然とも言えるようなことが解答となる問題で差がついたりもするのです。
それはいわば「知識の本質を問う」良問であり、さすが東大といったところでしょう。
東大合格に必要なこと
以上の東大入試の難しさを踏まえた上で、では実際に東大を目指すならどのような力を身に付けなければならないのか。
受験生として勉強しておくべき内容を簡単にまとめておきましょう。
はやく・正確な問題処理能力
東大入試では厳しい制限時間の中で大量の問題を解かなければならないので、当然「はやく・正確な問題処理能力」が必要となってきます。
先ほども言いましたが、東大入試とはいえどただ難問・奇問が並べられている訳ではなく、中には東大受験生なら誰でも解けるような平易な問題もたくさん散りばめられています。
あくまで東大受験生レベルの”平易”ですが…。
また、さらに注目すべきことは、合格者最低点です。
以下、東大入試の合格者最低点の近年の推移図です。
理科三類は別格ですが、ほとんどの年で合格者最低点は60%前後です。
つまり、東大入試においては概ね4割の得点を落としても受かります。
東大入試は決して満点近くで争うような戦いではありません。むしろ、ボロボロに失点しながらも「いかにして部分点をもぎ取るか」という視点の方が大切になってくるでしょう。
以上のことを踏まえると、東大合格に大切なのは、問題が自分に解ける問題かどうかを素早く見極め、制限時間内でできるだけ多くの問題を正確に解いていく事です。
問題が解けるかどうかを瞬時に見極める力も一つの実力なのですね。
知識の本質を追求する→why型好奇心
東大入試の問題は「知識の本質を問う」問題だというお話をしましたが、そのような問題を解けるようになるためには「地頭力」を鍛える必要があります。
「地頭力」を鍛えるためには好奇心の持ち方について注意しなければなりません。
好奇心には「what型好奇心」と「why型好奇心」があると言われています。
このうち、知識の本質を身に付けるためには「why型好奇心」を大切にする必要があります。
すなわち、知識に対して「なに?」よりも「なぜ?」を問い続けること。
確かに、知識に対して「なぜ?」と問い続ければその本質を追求出来そうですよね。
圧倒的な勉強量
結局、東大受験で最終的に1番重要になってくるのは「勉強量」です。
いかに効果的な勉強法を研究し、いかに効率的な勉強をしようが、絶対的に膨大な勉強時間が必要であることだけは避けられない事実です。
この現実から逃げているようでは、東大受験の資格さえ無いと思います。
その努力というのは、もはや努力ともいえない執念のようなもの。
東大を目指すということは、そうした身を削るほどの努力をして初めて戦場に立つことができ、それでもなお無惨にも敗れ去っていく人も大量に出てくるような戦いであるということは口を酸っぱくして言っておきます。
最後に:東大はやはり【別格】
さて、この記事では「東大は難しい」「東大は誰でも行けるところではない」という話をしてきました。
ただ、だからこそ東大は挑戦する価値のある大学なんだと思っています。
「誰でもいけるところではない」とはいえど、この記事を読んでいるあなた自身が東大受験の才能があるかどうかなんて、挑戦してみないことには分かりませんよね。
もし「自分にも可能性があるかもしれない…。」と少しでも感じているのなら、少なくとも夢物語ではないはず。
入試難易度のみならず、入学後も全国トップの頭脳が集まる場所ならではの環境という意味でも、やはり東大は別格です。
東大受験は決して簡単な道ではありませんが、例えば「東大の中でも最も難易度の低い文科三類を目指す」「英語のリスニングで点差がつきやすいのでリスニングを強化する」など、しっかりと戦略を立てて血の滲むほどの努力をすれば、東大合格も夢ではないのかもしれません。
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