こんにちは。クリリンです。
東大理一と旧帝大医学部はどっちが難しいの?
京大工と地方医学部のどっちかで志望校を悩んでます…。
最近こんな相談をされることが多いです。
入試科目の配点も違う上、そもそも問題の傾向が違ったりしているため、ネットなどによく掲載されている偏差値だけからは比較しづらいですよね。
今回は、現役京大医学部の僕の視点から、東大・京大・国公立医学部の入試難易度の違いや差を比較していこうと思います。
東京大学の入試の特徴
東京大学の入試の特徴を一言で言えば、“はやく、正確に”でしょう。
具体的に、東大理系入試の制限時間は以下の通りです。
国語 | 100分 |
数学 | 150分 |
理科(2科目) | 150分 |
英語 | 120分 |
決して制限時間が短いわけではありません(むしろ長いくらいですね…)。しかし、この制限時間を以てしても解ききれないほどの問題量が出題されるのです。
ただし、出題される問題すべてが難問というわけではありません。勉強をしている人なら誰でも解けるような問題から、到底誰も解けないような問題まで難易度は様々に設定されています。
つまり、東大入試を攻略するためには以下のような実力が必要となります。
- 問題が自分に解ける問題かどうかを素早く見極め、制限時間内でできるだけ多くの問題を正確に解いていく実力
- それを長い制限時間にわたって行う高度な集中力
配点比率
共通1次試験:個別2次試験=110:440(一律)
総合得点に対して2次試験の得点が80%を占めます。東京大学は圧倒的に2次試験重視型ということですね。
もちろん、共通1次試験をなおざりにできるわけではありませんが、上記した東大入試の対策をより特化して行わなければなりません。
京都大学の入試の特徴
京都大学の入試の特徴を一言で言えば、“じっくり、丁寧に”でしょう。
具体的に、京大理系入試の制限時間は以下の通りです(教育学部、経済学部を除く)。
国語 | 90分 |
数学 | 150分 |
英語 | 120分 |
理科(2科目) | 180分 |
制限時間だけ見れば東京大学とさほど変わったものではありません。しかし、出題される問題量は東京大学と比べると圧倒的に少ないのです。
では京都大学の入試の難しさはどこにあるのでしょうか。
それは“一問一問がとても難しい”というところにあります。
その「難しさ」とは単に「思考力」を問われるだけでなく、とっつきにくい問題に対してどのようにアプローチするのかという「直観力」や解答までの道筋を徹底的に論証していく「表現力」も必要とされます。
特に数学については小問誘導が無く、ハイレベルな問題に対して0から論証をしなければならないというのは有名な話かもしれませんね。
つまり、京大入試を攻略するためには以下のような実力が必要となります。
- とにかく問題をしっかり読み、要求されていることを正確に捉えて、解答の切り口を見つけ出す思考力と直観力
- その解答までの道筋を論理的に導く表現力
配点比率
共通1次試験:個別2次試験≒1:4(概ねの平均)
学部によって多少の差はありますが、京都大学も東京大学と同じく総合得点に対して2次試験の得点がおおよそ80%を占め、圧倒的に2次試験重視型です。
上記した対策をより重点的に行わなければ合格を勝ち取ることは難しいでしょう。
国公立医学部の入試の特徴
国公立医学部の入試の特徴ですが、こればかりは数ある大学に対して一概に言える事はないと思います。
標準的な出題に対して高得点が必要な傾向があったり、逆に難易度が高めの出題に対して少しでも得点を取ることが重要である傾向があったりします。
ただ一つ言えることがあるとすれば、どこの医学部であっても決して難問奇問を解けるような実力が求められているわけではなく、標準的・典型的な問題で確実に得点を取れるようにすることが合格への一番の近道だということです。
配点比率
共通1次試験:個別2次試験≒1:1(概ねの平均)
もちろん大学によってばらつきはありますが、大体の平均を取ると1次試験と2次試験の配点はおおよそ50%ずつとなります。
これは比較的平易な1次試験でどれだけ得点を稼げるかが合否に多大な影響をもたらすという非常に重要な意味を持ちます。
東大vs京大vs国公立医学部
さて、ここから本題の東大・京大・国公立医学部の入試難易度の比較をしていきます!
ここからはかなり主観が入ってきますのでご了承ください。(笑)
東京大学vs京都大学
京大生の視点からすると、東大と京大ではやはり東大の方が一歩上手と感じます。
僕自身も、受験生時代に東大の過去問を何年分か解いたことがありますが、あの問題で効率よく得点を取っていくのは至難の業です…。確かに、理科Ⅰ・Ⅱ類には合格点に届く望みはあるかもしれませんが、理科Ⅲ類にはまず届きませんね…。(あまり念入りな対策をしていないことも原因としてあるのかもしれませんが…)
また一般的に言われることとして、東大の入試問題の対策をした受験生は総合的な能力が培われるため、京大の入試問題にも対応ができてしまうというデータもあります。
東大理Ⅲと京大医学部ってそんなに違うものなの?
これはよく聞かれることですが、僕を含めた京大医学部の多くの人たちが、東大理Ⅲに対しては“敵わない…”の一言に尽きます。(笑)
東京大学vs旧帝大医学部
東京大学の理科Ⅰ・Ⅱ類は旧帝大医学部(東大・京大を除く)と同程度の偏差値としてよく比較されますよね。
旧帝大医学部は2次試験重視型ばかりで、入試問題自体も“自分の解ける問題で如何に得点を取れるか”という出題傾向の大学が多いため、入試難易度の比較はしやすいかもしれません。
僕の意見としては、旧帝大医学部は東大理科Ⅰ・Ⅱ類よりも難関だと思います。
入試難易度で重要なのは合格最低ラインです。東大理科Ⅰ・Ⅱ類はそれぞれ1100人・500人を超える募集人員があります。対して、医学部の募集人員は100人前後という大学が大半です。
一般的に公表されている大学の偏差値というものは(あまり詳しいことはわかりませんが)合格上位層によって引き上げられています。
もちろん旧帝大医学部の偏差値も上位層に引き上げられているのは事実ですが、東大の場合はその引き上げによる上位層と下位層との差がより顕著なのではないでしょうか。
つまり、東大の合格最低ラインは募集人員が多い分一層低くなっているのではないかと思うのです。
事実、僕も同一模試内において名古屋大学医学部より東大理科Ⅰ類の方が良い判定が出た経験があります。
同程度の偏差値として知られる大学間の比較としては、やはり募集人員の少ない大学の方が総合的な入試難易度として高いのかもしれません。
京都大学vs地方国公立医学部
京都大学(非医学部)は地方国公立医学部と同程度の偏差値としてよく比較されます。
ただこの比較に関しては、1次試験と2次試験の比重がまるで異なる上、入試問題の傾向も全然違ってくるため、単純な偏差値による比較は到底通用するものではありません。
それでも強いて比較するのならば
東京医科歯科、千葉大学などの上位地方医学部 → 京都大学(非医学部) →その他地方医学部
ぐらいかなと思います。
ここで比較の基準にしているのは、“京都大学の特有な入試傾向に対応できるか”という点です。
上位地方医学部に合格できるような人は京大の入試問題にもある程度対応はできるでしょう。
逆に、その他の地方医学部に合格できるような人は標準的・典型的な問題はこなすことができるようになっていても、京大の入試問題に対しては恐らく壊滅的な状況となってしまうのではないでしょうか。
また、京大に合格できるような人はどの学部の人でも標準的・典型的な問題はこなすことができると思われますので、上位でない地方医学部であれば合格できる可能性は高いと思います。
まとめ
以上、難関大学と言われる東大・京大・国公立医学部の入試難易度を比較してみましたが、この比較はあくまでも京大医学部生からみた個人の意見です。
繰り返しになりますが、配点や入試問題の特徴も違ってくる以上は正確な難易度比較はできません。
結局、大切なのは各大学の入試の特徴を知って、自分の適性に合った志望校を選ぶことです。
このブログでは東大・京大を含めた難関大学・医学部を目指す高校生・受験生を応援しています。勉強のポイントをまとめているので是非ご一読ください。
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