こんにちは。クリリンです。
″努力は必ず報われる″
″努力は報われない事がある″
この2つの名言。きっと多くの人はどちらも耳にしたことがあるでしょう。「二律背反」を絵に描いたような出来栄えです。
東進予備校講師の林先生はこうおっしゃいました。
“努力は裏切らない”っていう言葉は不正確だ。 正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない。
東進予備校講師 林修
では、″報われる努力″とは何なのか。
今回は、結果を出すための”正しい努力”についてお話ししていきます。
″正しい努力″には理論がある
極端な例を挙げます。
【東大志望の受験生が、毎日足し算の勉強をしています】
こういう人に対して皆さんが思うのは、
「もう足し算なんてできるだろ」
「そんなんじゃ東大は無理」
きっとそう思うはずです。
中身の無い努力をいくら継続しても、その分だけ時間浪費するだけなのです。
こうした間違った努力に気付けない人、あるいはサンクコスト効果により過去の努力を否定できず努力の方向性を修正できない人は、
″努力は報われない事がある″という皮肉めいた名言の餌食となるのです。
結果を出すための″正しい努力″とは何か
全く頭を使わない根性論″だけ″に基づく努力は、やはりあまり賢いとは言えません。
では結果を出すための″正しい努力″とは何か。
よく、
「自分で考えて努力しろ」
「主体性を持て」
と言われることが多いですが、これは結局どういうことなのでしょうか。
結論を言うと、″正しい努力″とは「目的意識」です。
もっと具体的に説明します。
「仮説⇄検証」を繰り返す
例えば、「東大に合格する」という最終目的を立てるとします。
そこに、
「こういう勉強をすれば、これだけ東大合格に近づけるだろう」
という仮説を立てて実践し、実際にどれだけ成果が得られるのかを検証します。
検証の結果、あまり成果が得られないようだったり、もっと良い方法があると感じるようであれば、また仮説を立て直します。
こうして、仮説と検証を繰り返すことによって、
努力の方向性を修正しながら、最終目的へと向かっていくのです。
実際はここまで丁寧に行うことは無いかもしれませんが、
脅威的な短時間で結果を出してくる、皆さんが「天才」と称するような人は、これまでの人生で「仮説」と「検証」を頻繁に繰り返し、
・今、出来るようにしなければならないことは何か
・そのためには今、何をすべきなのか
を的確に見定めて、そこに向かって一直線で努力をしているだけなのです。
陥りがちな罠:手段の目的化
例えば勉強で言えば、東大に合格するためには数多くの参考書をこなさなければなりません。
ここでよくあるパターンを挙げると、「目標期日までにともかく参考書を1通り終わらせること」ばかりに目がいってしまい、「参考書の内容を習得すること」がそっちのけになってしまう場合です。
もう少し高度なところで言えば、「参考書の内容を習得すること」ばかりに目がいってしまい、「東大の傾向に合わせた知識を習得すること」がそっちのけになってしまう場合も挙げられます。
もちろん「とりあえずこの参考書をやる!」という勢いで取り組むことも大事だとは思いますが、その後で「東大合格にどれだけ近づいた?」という振り返りをしていない人があまりに多いという話ですね。
このように、努力を継続していると、「東大に合格すること」という最終目的を忘れてしまい、「参考書をこなす」という手段自体が目的化してしまうことが多々あるのです。
これは、最初に挙げた「東大志望の受験生が、毎日足し算の勉強している」ことと同じくらい見当違いなことだと僕は思います。
まとめ
皆さんも重々承知だとは思いますが、社会に出てからの活動には基本的に正解はありません。
しかし、勉強には正解があります。
ただ、ここがむしろ勉強の難しい部分でもあって、頭を使わずにダラダラと努力しても多少の結果は出てしまいます。
その成果に騙されて、本当にあるべき努力の形を見失ってしまうのです。
そこからもう1歩、自分の頭で仮説⇄検証を繰り返せる人が、社会に出てからも頭のキレる人になるのではないでしょうか。
コメント