こんにちは。クリリンです。
「勉強しているのになかなか成績が伸びない」というのはきっと多くの人の悩みでしょう。
「才能が足りない」「努力が足りない」と考えてしまうこともあるかもしれませんが、「勉強の質が悪い」というのも一つの原因かもしれません。
そこで今回は、「メタ認知」という人間の能力のもと、勉強の質を上げる方法についてお話ししようと思います。
努力の仕方を少し変えてみるだけで、一気に結果に繋がるかもしれませんよ。
メタ認知能力とは

メタ認知とは「認知していることを認知する」こと。「自分自身を外から客観的に眺めている様子」
をイメージすればわかりやすいでしょう。
例えば、
“自分では「勉強した」と思っていたはずなのに、いざ試験本番になったら回答できなかった…。”
1度は経験したことのあるケースでしょう。
これは、「勉強はしていたが、身についてはいなかった。」ということであり、あたかも身についていると勘違いしてしまった、つまり自己認知を誤ったということで、メタ認知が出来ていないことになります。
皆さんもご存知の通り、「知っているかどうか」と「実際に問題が解けるかどうか」は全く別の次元にあります。
勉強の質を上げるためには「できる」と「できない」を正確に見極める必要があるということですね。
そもそも人間は、自らの容姿や発言・行動などについて実際の能力よりも高い評価を行なってしまうことが提唱されており、まさにメタ認知能力が足りていない生き物なのです。
もちろん、勉強において多少の自信は必要ですが、「自分は勉強したから大丈夫なはずだ」と安易に考えるのは危険。自分が覚えたと思っていることが実際はどの程度身についているのか、冷静になって把握しなければならないのです。
では、どうすればメタ認知を意識した勉強ができるのでしょうか。
メタ認知能力を高める方法

結論を言うと、メタ認知能力をもっとも簡単に高める方法は、"模擬試験"です。
ワシントン州立大学とサイモンフレーザー大学の教授らは、過去の膨大な研究結果を分析し、最も効果の高い勉強方法は練習問題や模擬テストを繰り返し行なうことだ
という結論を導き出しています。模擬テストを定期的に行なう生徒は、そのほかの勉強方法(教科書やノートを何度も読む、など)を行なっている学生たちよりも、高い結果を出していることが判明したそう。
簡単な話、「テスト→できなかったところの復習」を繰り返すことが1番質の高い勉強法だということ。
例えば、数学の勉強を始めるとき、なんの計画性も無しに「とりあえず参考書を開く」というのはメタ認知能力に欠けた選択です。
本当に数学ができるようになるためには、まず模擬試験などで自分の苦手なところ・できないところを徹底的に分析し、その部分の重点的な対策を取る必要があるはず。
もっと言えば、大学受験に受かることが最終目標なら、入学試験の特性を正しく理解し、過去問等を駆使しながら最短ルートで努力すべきです。すなわち、「数学ができるようになりたい」一つとっても、そこには必ず方法論(=やるべきこと)が存在し、その形式に応じた努力をすることで「勉強したつもり」に気付くことができ、メタ認知能力を高めることができるのです。
確かに、「実際に解けるかどうか」を調べるためには、実際に解いてみることが1番簡単な方法ですよね。
だからこそ、まずは「やるべきこと」を明らかにするために、模擬試験を繰り返し受けることが1番効果的なのです。
以下、具体的な手順をお話しします。
【1】「事前分析」と「問題演習」でギャップを把握する
テストを受ける前に、自分がどれくらいの点数をとれるか予想します。
「これくらい勉強したのだから、これくらいの点数は取れるだろう」と、自分自身をどのように認識を抱いているのか確認しましょう。
そして実際に問題演習を行い、解けなかった問題を確認することで、「勉強したと思っていたけど頭に定着していないところ」を把握し、思い込みと現実のギャップを知ることができます。
こうしてメタ的に自分の実力を把握しながら学習し直すことで、効率的かつ効果的な勉強ができるでしょう。
模擬試験の利点として他にも、問題の答えを思い出す作業によって長期記憶として定着するということもありますね。
【2】テスト後に「事後分析」をする
さて、教育心理学を専門とするマイケル・アシャコウソ博士によると、テスト後に「分析作業」をすることでメタ認知能力が上がり、次回の試験のパフォーマンスを向上させる効果があるそうです。
「なぜ解けなかったのか」「どの部分を理解できていなかったのか」などを徹底的に分析してみてください。
同時に、今の勉強量や勉強法に対する考察をしたり、改善点を探っていきましょう。
模擬試験を復習する際の最も大切な基軸となる考え方については以下の記事を参考にしてください。

以下、具体的な分析事項の例です。
- 勉強時間に対してどのくらいの点数が取れたか。(※今後はどのようにスケジュールを組み立てるのかを考えるきっかけにします)
- 理解できていると思っていたのに解けなかったところはあったか。(※実力を過信していたところは重点的に復習します)
- 勉強の情報源(授業、教科書、ノート、本、など)は何が主だったか。(※どの情報源から出題されていたのかをすり合わせ、どの情報源から学ぶことをもっと注力しなければならないのか把握します)
- 難しかったのはどの部分か。(できていないところを明確にし、次回の試験に向けてどのような対策をするのかを決めます)
努力の評価は高かったのに結果が振るわなかった場合は、メタ的な認識が不足していると言えます。以上の問いかけをし、自分が想像していた実力と実際の実力の差を埋めていくのが成果を上げる最短ルートです。
まとめ
- 「知っているかどうか」と「実際に問題が解けるかどうか」は全く別の次元にあり、勉強の質を上げるためには「できる」と「できない」を正確に見極める(メタ認知)必要がある。
- メタ認知能力を高めるためには”模擬試験”を繰り返し行うことが最も効果的であり、「テスト→できなかったところの復習」を繰り返すことが1番質の高い勉強法である。
- “模擬試験”を行う際には事前分析・事後分析を合わせて行い、特に事後分析は徹底的に行って勉強量や勉強法を模索し続けることが大切である。
勉強しても結果が出ないときは、少し立ち止まって自分自身を客観的に分析してみましょう。
特に模擬試験を通して実践的な分析をすれば効果的にメタ認知能力を高めることができます。
メタ認知が得意になれば、より効率的かつ確実に結果を出せるようになるかもしれません。
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