この記事は数学の網羅系参考書について詳しく解説していきます。
難関大に合格するために知っておくべきなことを、実際に網羅系参考書を使って京大の理系学部に現役合格した僕が説明していきます。
この記事は次のような人におすすめです!!
1.学校で網羅系参考書が配られたけど、使い方がわからない
2.網羅系参考書のメリット・デメリットを知りたい
3.網羅系参考書でどのくらい実力が付くのか知りたい
①網羅系参考書の説明の前にーなぜ数学でつまずくのか
突然ですが高校数学でこんな経験をしたことはないでしょうか?
教科書の内容は理解していて、教科書の例題や練習問題は解けるのに、章末問題や問題や模試の問題などは解き方が全然わからない……
実際に解答を見てみると、こんなの思いつくわけないじゃないか、、、自分は数学の才能がないんだ……
これを解決するのが網羅系参考書です。
網羅系参考書の重要性をお伝えするために、先に、なぜ上のようなつまずきが起こってしまうのか説明します。
つまずきが起こる理由をもっとも端的に表せば、
「似たような問題を解いた経験がないから」
ということになります。
例えばの話ですが、2桁×2桁の計算を小学校の頃に習ったと思います。
この計算をするときに、初めから、誰かに教わることなく、2桁×2桁の筆算を使って計算ができる人はなかなかいないと思います。
なぜかと言えば、2桁×2桁の筆算の仕方を知らないからです。
しかし、この記事を読んでいる皆さんは、2桁×2桁の計算なんて朝飯前だと思います。
それは計算の仕方を知っていて、さらにはその経験があるからです。
違う見方をすれば、やり方を知っていて経験さえあれば、初めは難しく感じていたことも、難なくできるようになるのです。
これは数学の問題を解くときにも同じことが言えます。
②網羅系参考書ってどんな参考書?メリット・デメリット
先にメリット・デメリットをまとめると次のようになります。
メリット
- 幅広い難易度の問題がついている。(一冊から得られることが多い)
- 典型問題の解き方が身につく。
- 問題を解くときの処理能力があがる。
デメリット
- 問題量が多くて挫折してしまうことが多い。
- 全範囲終えるのに時間がかかる。
- 人によっては合わない場合も多い
網羅系は参考書で言うと『チャート式』、『フォーカスゴールド』、『レジェンド』などが有名ですね。
網羅系参考書というのは、教科書の各単元の初歩的な問題から応用的な問題まで、幅広くの問題が集められています。(これが網羅系といわれる理由です)
言い換えれば、多くの問題に触れることにより、多くの問題の解き方を知り、経験を得ることができます。
一冊で対応できる問題のレベルが非常に広く、とても多くのパターンの問題とその解答が詳しくついています。
そのため、網羅系参考書を一冊仕上げることによって、典型的な問題が解けるようになり、定期テストはもちろん、模試でも数学が武器になるまで実力を伸ばすことができます。
少なくとも、問題がよほど難しいものでない限りは、全く方針がたたないなんてことはまずなくなります。
さらには、単純に問題に触れる量が多いことから、計算能力などの処理能力が付きます。
しかしその一方で、問題量が多いために一冊にとても時間がかかってしまい挫折してしまう人もとても多いです。
③網羅系参考書のレベル(難関大志望者向け)
この記事では難関大志望者に合わせて、『青チャート』、『フォーカスゴールド』、『レジェンド』の3つに絞って話したいと思います。
上にあげた3つは大体同じレベルだと思って大丈夫です。
若干の違いはあるにしても、数学の確固たる土台を作ることができ、そこまで難しくない入試問題が解けるレベルまで到達できます。
例題は教科書からの接続がしやすいような問題からスタートして、章末問題は入試問題レベルにまでなります。
つまり、教科書レベルの問題から、入試問題まで幅広く対応しています。
到達レベルとしては、難関大の入試問題に手が出始めるところまで、といった感じです。
ちなみに『赤チャート』は、上の3つよりもレベルが高くなっています。
個人的には国立の難関大でいうと東大、東工大志望で、かつ数学が得意な人が使うといいと思います。
その他の大学は赤チャートでなく、上の3つでよいと思います(もちろん赤チャートを持っている人はほかのものに買い替える必要はありません)。
というのも網羅系参考書は一通り範囲を勉強するのに使うものであるため、あまり難しくなくていいからです。
④網羅系参考書の構成
網羅系参考書の構成の大枠としては下のようになっています。
- 例題(ほとんどを占める。大体300~400題)
- 練習(1つの例題に類題が1つ付く)
- 単元全体の練習問題(入試問題も混ざっている)
- 章末問題(結構難しめの入試問題)
1~3をメインに取り組んでいくのが基本です。
4の章末問題は1~3と難易度がかけ離れていることが多いので、文系の人は数学ⅡBが、理系の人は数学ⅢCが一通り学習が済んだら解いてみるのがいいと思います。
⑤網羅系参考書の鉄則
上にも書いたように、網羅系参考書のボリュームは物凄いです。
一題ずつ解いていてはなかなか終わりません。
そこで、効率的に進めるための鉄則について説明します。
鉄則:網羅系参考書の初見の問題は最初から解こうとしない
この鉄則を絶対に守ってください。
なぜかと言いますと、初見の問題は殆ど自力で解けないからです。
解けたとしても解き方がほんとに正しいのか、記述式になったときに不備のない論理で満点がとれるのか、という点がかなり怪しいのです。
そのため、初見の問題は解き方と記述の仕方の2点を暗記してください。
数学なのに暗記していいの?と思う方も多いと思います。
結論から言うと、暗記して大丈夫、というよりも必須です。
英単語の意味が暗記出来てなければ長文が読めないのと同じで、数学の入試問題を解くときも、基礎的な解き方が暗記できてなければ、解くことができません。
なぜなら、数学の入試問題は、典型問題の組み合わせでできているからです。
ここまで暗記が重要だと述べてきましたが、ただ覚えるのではなく、「なぜその解き方をするのか」ということにも注意して暗記してほしいと思います。
⑥実際の使い方
実際に網羅系参考書をどう使っていくのがいいか述べていきたいと思います。
step1 各単元の内容をつかむ
まずは、教科書やyoutube、学校の授業を使って各単元の大まかな内容をつかみます。
ここでは教科書の問題が実際に解けるようになる必要はありません。
その単元がどんなことをする単元なのか簡単に理解できていれば十分です。
step2 例題の解き方を覚える
例題のほとんどの問題が初めての問題で解けないと思います。
しかし、それが普通なので解答を理解した上で覚えていく、ということを繰り返してください。
実際に解いても何もわからないままの時間が続くことになるので、先に述べている鉄則通りにするのがおすすめです。
一日にすすめるスピードについては、例えば一日に5問進めるという感じで目標を立てるのがいいと思います。
時間に余裕がある人は一番難しいレベル表示の問題までやってみて、あまり時間がない人は一番難しいレベルのものはとばしていくのがおすすめです。
step3 step2で覚えた例題を数日後に実際に解いてみる
覚えた日には解けても、時間が経つと解けなくなっている、というのは多くの人が経験したことがあると思います。
これは一時的に解き方を覚えているだけで、定着していないからです。
定着させるために一回覚えた例題を数日後に実際に手を動かして解いてみてください。
ここで解けた問題と解けなかった問題をそれぞれ印をつけておきましょう。
解けなかった問題はまた数日後に解いてください。
そしてまた解けた問題と解けなかった問題を分けて印をつけていくという風にしましょう。
解けなかった問題が全部解けるようになるまで繰り返しましょう。
step4 単元末のまとめ問題を解いてみる
step3までこなせていれば、その単元の実力は相当ついているはずです。
そこで腕試しに単元末のまとめ問題を解いてみましょう。
青チャートではExercise、フォーカスゴールドではStep Up、レジェンドのLet’s tryにあたる問題です。
この問題で半分くらい解けるようになっていたら上出来です。
わからない問題があってもあまり気にせずに復習に努めましょう。
数学が得意な人はここで章末問題に挑戦してもいいでしょう。
その際も難しいので解けなくてもあまり気にせず、解いたら復習しておきましょう。
以上のstep1~4をすべての単元で行ってください。
stepに分けて紹介しましたが、実際に勉強するときは、一日のうちにstep2とstep3は同時に進みます。
一日のうちに覚える問題と解く問題があるという状態です。
とても時間がかかるのは間違いないですが、間違いなく数学が武器になります。
そしてその後の数学の勉強効率が爆上がりする土台が整うことになります。
効率が上がる理由は、入試問題の解く際など、問題の解答を見ることがあると思いますが、この解答は何をしているのだろう、といった疑問が生まれることがほとんどなくなるからです。
※補足
例題の進め方では触れませんでしたが、例題には対応する練習がついていると思います。
この練習は時間に余裕がある人はぜひ解いてみてください。
しかし、例題とあまり変わらないことが多いのでスルーしてもそこまで問題はありません。
⑦この記事のまとめ
この記事では網羅系参考書について説明してきました。
網羅系参考書の一番大事なことは、初見の問題を解こうとしないという鉄則です。
解答を理解したうえで解き方を覚えるということをひたすら続けてください。
量が膨大で投げ出したくなるかもしれませんが、もし全部こなせれば、数学に困ることはなくなります。
コツコツ進めていって着実に力をつけていきましょう!!
⑧おまけ
ツイッターのDMで勉強に関する相談を受けようと思っています。下にアカウントに気軽にDMを頂けたらと思います。些細なことでも、問題の解説などなんでも聞いてください。(問題の解説は数学のみ)
@_qz03
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