皆さんこんにちはMORIです。
今回は、初めて見る数学の問題を解くための頭の中の思考について解説していきます。
網羅系参考書の例題レベルが解けるようになった後に、ステップアップするための思考と、その養い方について説明します。
この記事は次のような人におすすめ!
・模試や過去問などで初めて見る問題が解けない
・初めて見る問題への対応力を高めたい
・普段の数学の勉強で意識すべきことを知りたい
1.初見の問題を解くために必要な2つの力
まずは、所見の問題を解くうえで必要となる2つの要素について説明します。
①似たような問題を解いた経験
初見の問題でも、似たような問題を解いたことがあると解ける、という人が多いのではないでしょうか。
というよりも、似たような問題も解いたことがない問題を解くのは厳しいのではないでしょうか?
そのことを改めて実感してもらうために次の2つの問題を見ていただきたいと思います。
数学Ⅰの二次関数の超基本問題ですね。
どうやって解くかというと、まずは平方完成ですよね。
x2-2x+3 を平方完成して (x-1)2+2 とします。
平方完成することで2次関数の軸と頂点がわかりますね。
軸は x=1、頂点は、(1,2) です。
さらに、この2次関数は2次の係数が正なので下に凸です。
あとは、軸の位置と x の変域を考えて終了ですね。
軸の x=1 は、0≦x≦4 含まれるので最小値は x=1 の時で 2。
また x=0 よりも x=4 の方が x=1 から離れているので、最大値は x=4 のとき 11。
実際に解答を書くと下のようになります(字やグラフが汚いのはご了承ください)。
超基本問題なので簡単だったと思います。
では二つ目の問題に行きましょう。
この問題も数学Ⅰの二次関数の問題です。
この問題では先ほどの問題とは違って、定数の a が入っています。
二次関数があまり習熟できていないときはこの a を厄介に思ったかもしれません。
しかし、問題1からもわかるように、2次関数の最大値、最小値を求める問題で大事なことは、軸の位置と x の変域なのです。
そのため、定数の a が入っていても、まず平方完成しようという風に思わなければなりません。
x2-2ax+2a2 は平方完成により、(x-a)2+a2 に変形できます。
これにより軸が x=a、頂点の座標が(a,a2) と分かります。
また、問題1と同様に、二次の係数が正なので、この二次関数は下に凸です。
そして考えるべきは x の変域です。
軸である a の値によって場合分けをして……という流れになります。
この記事のメインは問題解説ではないのでこれ以降は省略しますが、以上のことをもとにして解答を書くと以下のようになります。
以上の問題2は、問題1の応用問題といえると同時に、似たような問題であるとも言えます。
その問題2の解き方のエッセンスは基本問題である問題1に詰まっているのです。
まずは軸の位置を調べるために平方完成する。
次に上に凸か下に凸か判別する。
最後に x の変域と軸の位置関係を考える。
これは問題1の解き方のエッセンスです。
この問題1のエッセンスさえあれば、似ている問題2は何も難しくないでしょう。
似ている問題を解いた経験があるかどうかが、いかに重要であるか再確認いただけたでしょうか。
②知っている問題に帰着させる
難しく見える問題も、知っている問題に帰着させることができれば解けると思います。
次の問題を見てください。
このくらいは解けるっていう人も多いと思いますが、この問題は解きなれた3次関数の問題に帰着させることができます。
cos2θ=1-2sin2θ に公式を使って sinθ だけの式に直して、微分して増減を調べて終了です。
この問題は、初めての問題を知っている問題に帰着させる一例にすぎません。
他の例でいえば、通過領域の問題を解の配置や最大最小問題に帰着させる、接戦の本数をグラフの共有点の個数に帰着させるなど、そのパターンは様々です。
2.実際に2つの力を養うには?
問題1と問題2の関係で述べたように、似た問題から初見の問題を解くヒントを得る、というのはとても大事なことです。
また、問題3のように知っている問題に帰着させるというのも、初見の問題を解くのに大いに役に立ちます。
では、どのようにすればその2つの力をつけることができるのでしょうか?
結論から言うと、普段から問題を解くとき、各問題に対してどんな考え方をするのか、最もコアにある発想を、その発想に至る理由を含めて理解することを徹底するのが重要です。
問題2において、似ている問題1からヒントを得ることができたのは、2次関数の最大値、最小値を求める問題において、軸の位置と x の変域がわかれば答えがわかる、という解法の発想に至る考えがあるからです。
問題3において、3次関数の問題に帰着できたのは、置き換えをするという経験もあるとは思いますが、文字が1種類の関数は置き換えにより、1文字の多項式の関数に帰着させることが出来る、という解法の発想に至る考えがあるからです。
こういった抽象的な考えは、多くの問題を解き、さらにその問題のなかでの共通点を見つけ出すことで身に付きます。
そのため、力をつけるうえでは、たくさんの問題を解き解法を暗記するだけなく、解いた問題の解き方を、その解き方に至る理由を含めて抽象化することが重要なのです。
3.この記事のまとめ
この記事では、初見の問題を解くために必要な力と、その身に着け方について説明してきました。
キーワードは抽象化です。
繰り返しにはなりますが、問題を解くために必要な発想とその発想に至ることができる理由を含めて理解することが大事です。
そして、その力はすぐには身に付きません。
普段の問題演習から意識してみてください。
おまけ
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@_qz03
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