皆さん、模試についてちゃんと理解できていますか?
どの模試を受ければいいのかわからない、という人も多いと思います。
また、受けたのはいいものの、うまく活用しきれてない、という人も多いと思います。
この記事では、数多くの模試を受けて京大に現役合格した僕が、難関大志望者に向けた模試の情報について徹底解説していきます。
この記事は次のような人におすすめです!
1.どんな模試があるか知りたい
2.模試の特徴を知りたい
3.どの模試を受けたらいいか知りたい
①模試を受ける意義
模試を受ける意義は大きく分けて4つあると思います。
1.試験に慣れる
模試は、その字の通り、試験を模したものです。
共通テストだったり、大学ごとの個別試験だったり、模しているものはいろいろありますが、入試を想定したものであるということはどの模試も変わりません。
スポーツなどでもそうだと思いますが、練習でできないことは本番でも出来ないと思っていいです。
入試本番で自分の力を出し切るために、模試で試験に慣れてほしいと思います。
これが1つ目の意義です。
2.自分の得意不得意を知る
模試は、予備校の講師などの受験界のプロが、頻出の問題や一度は触れておきたいと考えた問題が、広い範囲からバランスよく出題されます。
それらの問題が解けているのであれば、勉強が順調だと考えていいし、自信を持って解答できなかったり、解けなかったりした場合は、その分野の勉強をした方がいい、と考えることができます。
また、模試の受けた時の自分がどのようなミスが多いのかなど、自分の分析にも使えます。
まとめると、模試を通じて、自分の得意なこと、不得意なことがわかります。
これが2つ目の意義です。
3.自分の立ち位置がわかる
模試を受けたときは判定や順位、偏差値が出ることが多いです。
その判定を参考に志望校、志望学部を決めるということもできます。
自分の高校の定期テストや実力テスト、予備校内独自の試験では、全国の受験生やライバルと比べて、自分がどのような立ち位置にいるか把握できません。
高校内では上位にいても全国で見るとそうでもなかったり、その反対で、高校内であまり上位にいなくても全国で見ると上位に入っていたりなど、発見がたくさんあります。
そのため、模試を通して、自分と立ち位置が分かるため、受験する大学と学部を決めるのに参考にすること、勉強の計画を立てること、モチベーションづくりができます。
これが3つ目の意義です。
4.客観的な採点を受けられる
これは特に記述模試の話ではありますが、客観的な採点をしてもらえます。
普段自分で勉強していて、初めて解く問題で客観的な採点を受けられることはあまりないのではないでしょうか。
学校の定期テストは先生に採点してもらうものの、あらかじめ類題を解いていたり、どのように記述したら点が取れるか知っている問題が出題されることがほとんどだと思います。
初めての問題を、自分の基準ではなく他人によって客観的に採点してもらうことで、自分の答案に何が足りないのか分かることも多いです。
これが4つ目の意義です。
模試を何のために受けるか明確にして模試を受けるようにしよう!!
②どんな模試があるか
難関大合格者が受ける模試に、どのような模試があるか簡単に解説していきます。
1.全統模試(河合塾主催)
ここでは全統模試の中でも記述の模試について説明します。
河合塾主催の全統模試は、たくさんある模試の中で随一の母集団を抱えています。
そして、高1生向け、高2生向け、高3生・浪人生向け、の3つに分かれています。
さらに、幅広い偏差値の人に対応しているというのも大きなメリットです。
大手予備校である河合塾が作っているということもあり、良質と言われています。
どの模試を受けようか迷ったらぜひ受けてほしい模試です。
2.駿台全国模試(駿台主催)
駿台主催の駿台全国模試は母集団のレベルが模試のなかでずば抜けて高いです。
というのも、中高一貫の進学校などは、全統模試や後述する進研模試は受験しないというところも多く、その代わりにこの駿台全国模試を受けるのです。
受験者層としては、旧帝大、医学部を志望する受験生が多いです。
問題のレベルは、難関大を志望する受験生に向けたものとなっています。
受験生向けともなると、入試問題レベルと同等かそれ以上の問題が出題されることもしばしば。
問題はかなり難しいですが、全統模試と同様に、大手予備校である駿台が作っており、評判もいいです。
難関大や医学部志望の人にはぜひ一度は受けてほしい模試です。
3.進研模試(ベネッセ主催)
学校で受ける模試は、進研模試が多いという学校も多いのではないでしょうか。
ベネッセが主催の進研模試も母集団がとても多いです。
問題に関して言えば、難関大志望者からすれば、難易度は物足りないものではあります。
しかし、出題される問題は基本的なものが多いため、自分の基礎が固まっているかどうかの判断材料にするとよいでしょう。
進研模試は学年にもよりますが、大学受験をしない高校生も受けることがあります。
そのため、難関大志望者は進研模試の順位や偏差値はあまり気にしない方が賢明だと思います。
4.大学別模試(各予備校主催)
難関大志望者に最も受けてほしい模試はこの模試です。
これまでに紹介してきたは、全統模試、駿台全国模試、進研模試はいろいろな人が受験することを想定した、いわば最大公約数的な問題が出題されます。
そのため、【①模試を受ける意義】で紹介した、自分の得意不得意を知る、という要素が強い模試となっています。
これに対して大学別模試では、その大学の個別試験の形式、試験時間、問題傾向など、本番さながらの模試となっています。
この大学別模試は、各予備校が最も力を入れている模試といっても過言ではありません。
そのため入試を分析し尽くした、練りに練られた問題が出題されます。
さらに、大学別模試は、その大学を受験しようとする受験生のほとんどが受験します。
志望する学部、学科、コース内での順位、偏差値、判定がとても正確にでる模試でもあります。
よって、大学別模試は、【①模試を受ける意義】の、試験に慣れる、自分の得意不得意を知る、自分の立ち位置がわかる、客観的な採点を受けられる、の4つすべてが高水準で満たされる最高の模試となっています。
大学別模試は、河合塾が主催するオープン模試、駿台が主催する実戦模試がメジャーで多くの受験生がこの2つの模試を受けます。
そのため、自分の志望する大学の模試があれば、オープン模試と実戦模試を受けることをお勧めします。
東進、代ゼミの主催する大学別模試もありますが、模試の受験者が河合、駿台に比べ少ないので、実践を積みたい人にはお勧めできますが、優先順位は下がります。
5.共通テスト型マーク模試
共通テスト型のマーク模試は、予備校やベネッセなどいろいろなところが実施しています。
共通テストは、まず形式に慣れること、そして時間内で早く正確に解くことが難関大受験生には求められます。
そのため、特定の模試を勧めるというよりも、共通テスト型の模試を受けてみて、実際の形式と特徴を早めにつかんでおくのが大事だと思います。
自分の中で共通テストってこんな模試、というイメージを早めに持っておきましょう。
直前期でない限り点や偏差値が取れなくてもそこまで気にしなくてよいでしょう。
③模試選び
ここでは難関大志望者向けに模試選びについて学年別に解説していきたいと思います。
1年生が受ける模試
最初に述べておくと、1年生はたくさんの模試を受ける必要はないと思います。
というのも、受験まで2年ほどあるし、本当のトップ層ではない限り1年生は高校の範囲の学習があまり進んでいないからです。
さらには、1年生の段階でたくさんの模試を受ける人は少ないですし、あまり順位も参考にしない方がよいと考えます。
そのため学校で受ける模試や、塾に通っている人はプラスで塾で実施される模試を受けるくらいで十分です。
学校で模試を受けることがなく塾に通っていない人は、個人で申し込んで受けてみるとよいと思います。
上のことを踏まえたうえで、模試を受けるとするなら、東大、京大、一橋大、東工大、医学部を目指す人や、その他旧帝大志望で自信のある人は駿台全国模試を、そうではない難関大志望者は全統模試がおすすめです。
繰り返しにはなりますが、1年生の間はそこまで模試を受けなくてもいいので、あまり深く考えずに普段の学習をきっちり行っていけば十分だと思います。
2年生が受ける模試
2年生からはだんだん模試を受けていってほしいと思います。
進研模試しか学校で受けないという人は、全統模試や駿台全国模試を個人で申し込んで受けてみて下さい。
判定は気にする必要はないですが、どのくらい自分の勉強が上手くいっているのか、同じところを受ける人たちと比べて成績はどうだったのか、定期的に分析するいい機会になります。
共通テスト型のマーク模試は2年生のうちに一度受けておくといいと思います。
模試の紹介でも書いた通り、2年生という早めの時期に触れておくといいです。
受験生が受ける模試(現役生・浪人生)
受験生は、東大・京大を志望する人と、そのほかの人で分けて説明したいと思います。
東大・京大志望の受験生
まず東大・京大は、河合のオープン模試と駿台の実戦模試が夏と秋で年に2回あります。
合計で、河合と駿台だけで大学別模試を年に4回受けることになります。
学校でも塾でも模試を受けることを考えたら、スケジュール的に結構シビアです。
また、最大公約数的な問題で点を取ることよりも、個別試験に即した形式の問題で点が取れるようになった方がいいのは明らかです。
そのため重要なのはオープン模試と実戦模試を何よりも優先することです。
より実践を積みたい人は全統模試や駿台全国模試でなく、代ゼミや東進の大学別模試も受けてみるといいと思います。
共通テスト型の模試は学校や塾、予備校で受けるもので十分だと思いますが、より多く受けたい人は自分で受けるのもありです。
そのほかの難関大志望の受験生
東大・京大以外の大学は、河合、駿台の大学別模試はあっても年に1回です。
旧帝大は河合と駿台とを合わせて年に2回あるので十分だと思いますが、より実践を積みたい人は東進や代ゼミが主催している大学別模試を受けるといいです。
大学別模試を最優先にしなければならない理由は、【東大・京大志望の受験生】のところで説明しているので省略します。
問題は、地方国立大など、大学別模試が行われていない大学です。
そういった大学で医学部志望の人は特に、全統記述模試や駿台全国模試を受験するようにしましょう。
大学別模試ほどの効果は期待できませんが、最良の選択はこれだと思います。
共通テスト型の模試に関しては、東大・京大受験生と同様に、学校や塾、予備校で受けるもので十分だと思いますが、より多く受けたい人は自分で受けるといいです。
1つだけ注意してほしいことは、地方国立の医学部に多いのですが、個別試験よりも共通テストの割合が大きいところがあります。
そういったところを受験する人は、共通テスト型の模試を増やすなどして、自分の受験計画に合わせて調節してほしいと思います。
④模試受験の際の注意点
模試受験の時に注意すべき点を3つ挙げておきます。
1.偏差値を気にしない
模試を受けた時に最も気にしそうな偏差値ですが、この偏差値に振り回されてはいけません。
そもそも偏差値というのは、母集団の中での立ち位置を表す指標です。
受験者層が異なる模試では当然偏差値も変わります。
あの模試を受けたら偏差値60だったのに、この模試になると偏差値50だった、、
なんてことはよくあることです。
同じ模試を受け続けたときの偏差値推移をみるのはとてもいいと思いますが、異なる模試の間で偏差値を比べるのは賢明ではありません。
2.模試の結果に一喜一憂しない
これもよく言われることですが、模試の成績には、大小の差はあれど、誰しも波があります。
体調が悪かった、たまたま苦手な問題ばかりが出題された、などなど、要因はいろいろですがうまくいくことも、うまくいかないこともあります。
当然、上手くいったときは判定もよくなるし、上手くいかなかったときの判定は落ち込むでしょう。
しかし、模試を受けるうえで大事なのは、模試の中で自分の成績について分析することです。
何が原因で点が取れた、取れなかったというのを徹底的に分析してください。
上手くいったところは継続し、上手くいかなかったところは改善しましょう。
3.模試はあくまで模試であること
模試でうまくいっているからと言って必ず合格するとは限りません。
というのも模試は、実際に入試を作る人が作ったものではないからです。
かなり練られて作られている大学別模試も、あくまで模試なのです。
実際に入試を作る人が作ったものは過去問しかありません。
そのため、最も重きを置くべきは、自分の受ける大学の過去問です。
以上のことから、模試はあくまで模試なのだということを肝に銘じてほしいと思います。
注意点をしっかり押さえて、模試を正しく使おう!!
⑤この記事のまとめ
この記事では難関大志望者に知っていてほしい模試の情報を徹底解説しました。
模試は志望校合格のための重要なツールであり、せっかくお金を払って受験するため、余すことなく活用してほしいと思います。
ツイッターのDMで勉強に関する相談を受けようと思っています。下にアカウントに気軽にDMを頂けたらと思います。些細なことでも、問題の解説などなんでも聞いてください。(問題の解説は数学のみ)
@_qz03
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