こんにちは。クリリンです。
「早起きは三文の徳」だと昔から伝えられています。
その影響もあってか、
・朝型は健康的
・夜型は不規則
というイメージが日本では根付けられています。
本当に早起き・朝勉強は良いことなのか。
結局のところ朝型と夜型はどちらが良いのか。
今回は、そんな疑問についてお話ししましょう。
朝型・夜型の最適な生活習慣は約50%が遺伝で決まる
人には1日のリズムを作る「体内時計」があり、その体内時計をコントロールする遺伝子の数によって、朝型か夜型か、あるいはその中間かが決まります。
学術雑誌「Nature Communications」
一般的には、朝に作業や勉強するほうが頭がすっきりした状態で臨めるので、効率が上がるなんて言われたりしていますが、朝よりも夜の方が頭も冴えて作業や勉強が捗るという人もいるということが明らかになってきているのです。
皆さんも、
・自分は朝の方が勉強に集中できる
・午前中はどうも勉強がはかどらない
というように、自分の睡眠サイクルとパフォーマンスの関連性をなんとなく自覚しているはずです。 それは、思い込みでもなんでもありません。睡眠習慣とパフォーマンスの間には、明確な関連性があることが最近の研究で分かってきているのです。
国立精神・神経医療研究センター「睡眠に関するセルフチェック」
遺伝子タイプは、基本的に「強い朝型」「朝型」「中間型」「夜型」「強い夜型」の5つに分類されます。2010年に日本人1170人の遺伝子タイプを調査した研究報告によれば、41%でもっとも多かったのが中間型でした。そして、強い夜型と夜型を合わせた数字が31.1%と続き、強い朝型と朝型を合わせた数字が27.9%となっています。
「中間型」とは、文字通り朝型と夜型の中間に位置するタイプです。
中間型の人は、自分のコントロール次第で朝型にも夜型にもなり得ます。
さて、「朝型・夜型は遺伝で決まっている」とお伝えしましたが、遺伝以外にも朝型・夜型を決める外的要因がいくつかあります。その代表的なものを2つご紹介しておきます。
- 外的要因①「光」
- 外的要因②「年齢」
外的要因①「光」
午前中に浴びる光が強く、その量が多いほど朝型化します。
朝起きた時にカーテンを開け、光を浴びると脳が覚醒するというお話は聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、昨今は夜でも強い光があふれている時代です。スマホやパソコン、電灯など、夜でも強い光を浴びるような生活をしていれば夜型化が進むのです。
そのため、中間型の人の場合、本当は朝型でいたいとしても、勉強で夜遅くなるような生活を続けていると夜型になってしまうわけです。中間型の人は、朝型・夜型どちらのタイプにもなり得るからこそ、自分のライフスタイルに合わせてしっかり自己管理することが求められます。
外的要因②「年齢」
朝型・夜型を決める外的要因として、年齢もそのひとつです。
持って生まれた遺伝子タイプはちがっても、誰もが20歳前後にもっとも夜型化し、そのあとは年を重ねるごとに朝型化することがわかっています。 夜型の人は20歳前後にはより強い夜型になり、朝型の人であってもその頃は人生のうちでもっとも夜型になるわけです。
年齢に応じてある程度ライフスタイルを変えていくことも考慮すべきかもしれませんね。
朝型・夜型のメリット・デメリット
ここまで朝型・夜型を決める要因についてお話ししてきました。
朝型・夜型に当てはまった方は、それぞれ変に抗うことなく過ごすのが吉です。
ところで、「中間型」に当てはまった方は、結局のところ朝型と夜型どちらが良いのか悩むところでしょう。
また、朝型・夜型に当てはまった方でも、そのメリット・デメリットを把握しておけば、メリットの享受とデメリットのリスクカバーを効果的に行えるはずです。
ここでは、朝型・夜型それぞれのメリット・デメリットについてお話ししておきます。
朝型のメリット
朝型勉強のメリットは、何といっても、「学習効率が高くなる」ことです。
朝の脳は前日の記憶がリセットされるため、新しい記憶を収納したり、創造性を発揮することに適した状態になります。この脳の仕組みが、朝の時間がゴールデンタイムだと言われる理由です。
脳科学者:茂木健一郎『脳科学者が勧める「朝時間」の使い方』
1日で一番学習効率の高い時間帯に勉強をするのは理にかなっていると言えるでしょう。
また、もうひとつのメリットとして、「試験時間に合わせやすい」こともあげられます。
入試本番は朝から始まります。夜に勉強することに慣れてしまっていると、頭の回転のピークを朝に持ってくるのは当然難しくなります。日々朝から脳を動かすという習慣がついていれば、入試当日に実力を発揮することに繋がるでしょう。
朝型のデメリット
朝型勉強のデメリットは、翌日が試験で夜遅くまで勉強するなど、「突発的な事態に順応できない」ことがあります。
諸説ありますが、人の健康上と脳の効率上、最適とされている睡眠時間は7~8時間ほどです。
仮に、睡眠を7時間取り、朝の6時に目覚めるとすると、前日の夜11時までには寝るべきだということです。
この就寝時間が遅くなっていくと睡眠時間はどんどん削られ、朝6時に起きてもぼーっとしたり、二度寝をしてしまったりと結果的に非効率的な習慣になってしまいます。
寝る時間が遅くなるだけで睡眠不足に陥り、翌日体調を崩してしまうという人は、皆さんの周りにもいるのではないでしょうか。
「終わらなかった分は明日の朝にしよう」と潔く切り上げて、睡眠時間をしっかり確保することが、朝型のメリットを存分に生かすことにつながります。
夜型のメリット
夜型勉強のメリットは、「静かで勉強に集中しやすい」ということがあります。
夜の時間は多くの人が寝静まって、生活音が気にならない時間であるともいえます。
特に大学受験の場合だと家族と同居している人が大半だと思いますが、それでも気を取られることなく集中できる時間帯だと思います。
静かな環境の中で勉強したいという人には最高の時間帯でしょう。
夜型のデメリット
夜型勉強のデメリットは、「徹夜に繋がりやすい」ということでしょう。
勉強において、睡眠時間をしっかりと確保すべきだということは言うまでもありません。
徹夜すれば、当然日中の集中力は落ちますし、体調を崩すことも考えられます。勉強時間を確保することも大切ですが、まずは体調管理です。
“朝型のデメリット”でもお話ししましたが、やはりどの遺伝子タイプであっても睡眠サイクルはしっかりと管理する必要がありそうです。
結論:自分なりのやり方でOK
朝は健康的で夜は不規則がイメージもありますが、必ずしもそうとは限りません。
朝型・夜型は遺伝的要因によるところも大きいのです。
「早起きは三文の徳」
という言葉に引きずられて、夜型の人間が無理に早起きすることはむしろ逆効果にもなり得ます。
自分の遺伝子タイプに合った生活を送ることで、脳と体を十分に休めることができ、それだけ勉強でも集中力やパフォーマンスをしっかり発揮できます。
まずなによりも、自分の遺伝子タイプを知ること。そして、自分が持っている本当の力を発揮して活躍できる時間帯を知り、その時間帯に合わせた努力をすることが大切なのではないでしょうか。
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