こんにちは。クリリンです。
英作文は、大学入試問題の中でも一大関門として立ちはだかり、習得するのに時間のかかる分野です。苦手な人はとことん苦手で、大きく得点を落としてしまう人もいるのではないでしょうか。
今回は英作文ができずに悩んでいる人に向けて、英作文の書き方とオススメ参考書2選についてお話していきたいと思います。
大学受験における英作文の重要性
英作文はほぼすべての大学入試で出題されます。もっと言えば、主体の長文読解の問題とは別に、独立で設問がある場合がほとんどです。
つまり英作文は、長文読解の能力とは無関係に得点できる分野なのです。
これはとても大切な視点で、「英作文ができる」というだけで大学受験においてはとてつもなく大きなアドバンテージとなります。
従って、英作文の技術を習得することは大学受験において非常に重要となるのです。
英作文は何故難しいのか
英語自体は比較的得意な生徒であっても、「英作文だけはできない」という人はしばしば見受けられます。
というのも、
英文を「読む」ことと「書く」ことは全く別のことなのです。
もっと言えば、使っている脳の領域が違うのです。
“英語を「聞く」ことはできるけど「話す」ことはできない”というのもこれが原因なのですね。
従って、英作文はそれ独自の対策が必要だということを覚えておいてください。
英作文の書き方
英作文には以下の3つの出題形式があります。
- 和文英訳
- 条件英作文
- 自由英作文
それぞれで詳しく説明していきましょう。
和文英訳
和文英訳には、大学入試に頻出の表現というものはあるにはありますが、それほどポイントが絞られているわけではありませんね。従って、幅広い問題に対して対応できるようになる必要があります。
以下のステップで習得していきます。
①英語特有の言い回し・表現を覚える。
②英語表現のレパートリーのできるだけ多く習得する。
③問題の日本語を「言い換え」し自分のレパートリーに持ち込む。
④三人称単数、時制などケアレスミスに注意する。
具体的な例題を見ていきましょう。
「天国に昇ったよう」は英語で何と言えばいいのでしょうか?
直訳するなら “as if he were in heaven” とでも言えばいいでしょうか。
ところが、英語に「天国に昇る」とような言い回しは存在しません。
仮に直訳するとすれば “he is over the moon” という表現が該当します。①の作業でこれを覚えていればいいですが、なかなかそうもいきません。
そこで、この文を「言い換え」し、自分の持つレパートリーに持ち込みます。
「天国に昇ったよう」というのは、要するに「とても嬉しい」ということですよね。これなら皆さんも知っている “be happy to do” という表現に持ち込むことができると思います。後は時制に気を付けて
このように英表現がしにくい日本語を平易な日本語に「言い換え」できるようになるのが和文英訳では大切になります。
条件英作文
「~という表現を使って、あなたの考えを書け」「~という表現に続けて、質問に対する答えを書け」といった問題は条件英作文に分類されます。
僕は、この類の問題を “不自由英作文” と呼んでいます。すなわち、条件が与えられている時点で、書くことのできる英文はほぼ決められています。
つまり、まず書くべき内容を日本語で正しく思い浮かべることが出来さえすれば、あとは「和文英訳」と同じ要領で解くことができます。
海外からの観光客に和食が人気だという話になったときに、文化が違うのだから味がわかるのか疑問だと言った人がいたが、はたしてそうだろうか。( )。さらに言うならば、日本人であっても育った環境はさまざまなので、日本人ならわかるということでもない。
※2018年度京都大学の改題。実際の問題は括弧内を含めすべて英訳するという問題でした。
前後の文脈をしっかりと踏まえると
「観光客も同じ人間としての味覚を持っているので、和食を楽しめているはずだ。」
これらくらいの文章が思い当たると思います。従って、この文章を「和文英訳」と同じ要領で解いていけばいいワケです。
「味覚」というワードは受験生にはなかなか難単語だと思うので、「身体で感じる」という副詞的な言い回しにしてみました。
この問題は空欄の前後が日本語ですが、英語の場合でもやることは同じです。空欄に入るのにふさわしい内容の文章をまずは日本語で思い浮かべ、それを和文英訳と同じ要領で解いていきます。
この考え方ができれば、条件英作文に対してとりわけ個別に対策する必要はないでしょう。
自由英作文
最近の大学入試の傾向にある自由英作文。
苦手とする人も多いですが、実は英作文3つの出題形式の中で最も高得点を取りやすい問題です。というのも、
自由英作文は和文英訳よりも減点対象となるポイントが少ないのです。
つまり、“書けさえすれば、減点されることは少ない” ということです。
そもそも採点の基準となる文章が無いのですから、減点されるとすれば明らかな脈絡の欠如か文法的なミスくらいなのですね。
問題は “書けさえすれば” の部分ですが、これは「条件英作文」と同じように、書きたい内容を日本語で思い浮かべることができれば、あとは「和文英訳」と同じ要領で解くことができます。
日本人として18年間、またはそれよりも生きてきている以上は直接英文を思い受かべることはできないと思ってください。
それでも自由英作文ができないという人は、英語どうこう関係なく、そもそも書きたい内容を日本語で思い浮かべることができていない可能性があります。その場合は、少し個別の訓練が必要かもしれません。
まとめ
以上のことをまとめると、条件英作文や自由英作文が苦手という人は、和文英訳ができていないことが原因である場合がほとんどです。
従って、まずは「和文英訳」を徹底的に上達させましょう。
和文英訳を上達させるコツは、表現のレパートリーを増やしつつ、「言い換え」をして自分のレパートリーに持ち込む練習をすることです。
これができるようになれば、もう英作文で困ることはまずありません。
オススメ参考書2選
『英作文基本300選』
使いやすい英表現が豊富に載っています。収録されている例文を丸暗記すれば、表現のレパートリーは十分と言えるでしょう。
『英作文実践講義』
英作文における “言い換え” について徹底的に解説されています。『英作文基本300選』で習得したレパートリーに持ち込むための “言い換え” のテクニックを鍛えていきましょう。
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